既に駄作臭が...なぁんて過去に言ってしまいましたけど...
Inside Moviesで公開された、膵臓を痛めてまで役になりきっているアシュトン・カッチャーがジョブズを演じる映画 jOBSのクリップを観てみたら、ちょっと撤回してもいいかもって気分になっちゃいました。
カッチャーは若きジョブズを上手に演じてますよね。そして、このクリップはジョブズが熱く語ることによって、ウォズが、パーソナル・コンピューター、つまり最初のアップルコンピューターを現実のものにする大切さに気付く瞬間を描いたシーン。なかなか良い雰囲気だし映画への期待度が高まったのも事実です。
そこで、米Gizmodoではスティーブ・ウォズニアックに、このシーンについてのコメントをもらえないか? コンタクトしてみました。
すると、やっぱりいただけました! コメント!
ウォズの話では、「こんなやりとりしたこと無いよ」とのこと。
現実には程遠い...。こんなやりとりした事も無いですよ。いったい何をしたいのかさえ分からないし登場人物達のキャラクター設定も間違っている。忘れないでください。私は、Homebrew Computer Clubの新しい技術が未来を創造するというマシーンの価値に対する考え方にインスパイヤーされたもので、こんな風にジョブズに気付かされたんじゃありません。ジョブズはクラブに参加してなかったし、彼こそ未来への社会的影響について学んだ側なんです。
ということは、実際は正反対の事が起きてた...。ウォズはマシーンの価値やテクノロジーの民主化についての重要性を知っていて、ジョブズは後々その事を学んだというわけですね。
加えて、
大間違いだよ。コンピュータが社会に影響するという考えもジョブズからでたものではないよ。これはHomebrew Computer Clubで広く話されている事で、ジョブズがオレゴンから帰ってきてクラブ・ミーティングに参加した後も社会的影響についての話はしませんでした。彼は20ドルで作ったプリント基板を、私があげたコノンピュータを組み立てているクラブの人達に40ドルで売ろうと考えていたんです。彼はいつも私のデザインからお金を稼ぐことを考えていたっけなぁ。また、私は映画の中みたいに専門家風じゃなかったし、2人とも子どもだったよ。私たちの関係は映画の中で描かれているのとは全く別物。正直、私は困惑してしまいましたけど、もし映画が面白くて楽しめる作品に仕上がっているなら実に結構なこと。私の本iWozを読んだ人達は、きめ細かい検証を行うことができますからね。
スティーブは彼の本の中で、彼がどうやってパソコンを発明してアップルを共同設立して楽しんだか? を書いていますから、読み比べてみるのもいいかも!?
映画はそれなりに面白いかもしれないけど、ウォズのコメントを踏まえると結構不正確なのかも? という疑惑が...。ワンシーンで判断するのは良くないけど、もしハリウッド・ハックが本当に大切な事を間違って描いているなら、この映画を楽しめそうにないですよね...。2人のスティーブがコラボして皆が愛するアップル・コンピューターが生まれるストーリーを感動的なものにするっていうのも必要なのかもしれないけど、アップルのコア・ヒストリーよりも重要な事ってあるのかな?私は無いと思います。
そんなことをモヤモヤと思っているうちに、またまたウォズからメールをいただきました。
今回観たのは1シーンだし、ただの映画ですからね。この映画は人気がでるべきだし面白い作品に仕上がればいいなと思っているよ。事実がねじ曲がってることも事実だけどね。あの頃、私はネクタイなんてしてなかった。生涯ほぼ毎日ジーンズに青いボタンダウンのシャツを着てるし。決して専門家っぽい振る舞いもしていませんでしたよ。
以下は、数分前にFacebookで誰かに送ったコメントなんですけどね。
こういう2人のやり取りが起こらなかったという事実は重要ではなく、重要なのは描かれた意味が正しいかどうかということ。
ドラマチックなシーンを作るのはOKだけど、本当に起こった事が描かれていたら、より良いんでしょうね。まぁ、映画のワンシーンだし、映画全体はとってもいいものかもしれません。でも、技術革新の社会的意味への初期暴露については、とても違う方向に表現されてしまっている。
Homebrew Computer Clubのメンバーであった私はバークレーとスタンフォードの人間主義の学者たちが高い社会的目的について話あっているのにインスパイアされたんです。
私は、彼らが手頃なコンピューターを設計するというゴールに到達するために手助けしました。私のゴールはお金や権力じゃありませんでした。実際、スティーブがクラブに来て興味を示したけど、彼はコンピュータを作る事を提案するのではなく、他の人たちが簡単にコンピューターを作れるように、プリント基板をつくったら?と提案してきました。 このプリント基板はただの部品で、ジョブズがHaltekで売ってるようなものだったんだけどね...。
ちなみに「Apple I 」は、私が楽しみのために作った5つ目のパソコンだったけど、ジョブズがお金にする方法を見つけたんです。収益はいつも分けあいましたけどね。
ジョブズの映画だからオイシイ部分は主役にってことなのかな? まぁ、エンターテイメントなので、ノンフィクション風な映画という軽い気持ちで観てみてはいかがでしょ? 映画は、今年4月19日に開催されるサンダンス映画祭でお披露目となります。