大人の事情も。
Facebookの新しいニュースフィードは、我々がオンラインにあふれる情報をより消化しやすくするためにデザイン変更された、Facebookはそう説明していました。たしかにニュースフィード画面は、ドイツ人のトイレよりもクリーンに、美しくなりました。でも彼らにとってもっと大事な目的は、お金をもうけやすくすることだったはずです。つまり、キレイになったのはユーザーが見たいコンテンツだけじゃなく、広告もってことです。それももちろん、より大きく、じゃまになった広告です。
これは当然のことです。Facebookは株を上場して以来、投資家に対して彼らが期待通りお金を生み出せることを示すべく苦労してきました。これまでのところ、そんな彼らの努力は実を結んでいません。1月には、ザッカーバーグCEOが投資家たちに次のように言っています。
広告主は大きな画像とか動画といったリッチなものを求めていますが、我々はこれまでそれらに応えていませんでした。でも去年わかったのは、ユーザーが使うオーガニックな(広告以外の)ニュースフィードが、より大きな画像やリッチなメディアに向かっていることです。この方向は今後も続くと思われます。...なので、今後の方向性という意味でのトレンド、そしてこれが自然に続いていくことはおわかりだと思います。つまり、我々はこれまでよりエンゲージさせやすい広告体験を提供できるのです。
「エンゲージさせやすい広告」とは何でしょう? それは、大きくてユーザーが見ざるをえない広告です。友達の旅行写真とか、ジャスティン・ティンバーレイクの近況情報を引き立たせるデザインは、広告を美しく見せるデザインでもあります。動く広告、キラキラする広告、スクリーンの中にこれまで以上の大きさで広がる広告です。
画像のサイズを単純比較すると、こうです。
左側が従来のニュースフィード、右側がデザイン変更後です。広告も同じようになるってことです。
すでに企業は、Facebookが買収したInstagramを使って広告が可能になっています。
そして新しいニュースフィードの発表に際し、Facebookの製品担当バイス・プレジデントのクリス・コックス氏はフィードの中の広告に関し、サイズ以外は変わらないと言いました。つまり今までと同程度に無視することはできても、大きくなるんです。音楽や友達やニュース記事や動画と同じように、大きく表示されるんです。他のコンテンツとより見分けにくくなるんです。
それは広告主が、広告をなるべくクリックしてほしい、ちょっとでも見てほしいと望んでいるからです。そしてもし広告主がFacebookの大きい広告にはより多くの対価を払う価値があると考えるなら、Facebookの株価は谷底からはい上がれるかもしれないからです。そしてFacebookは、はい上がらなきゃいけないんです。
これについて我々は、文句を言ったり、デスクトップをバンバン叩いたりすることはできます。たしかにユーザー側の理想としては、広告がない方がいいです。ザッカーバーグが慈善家で、公共の利益のためにFacebookを運営している方がうれしいです。
でも、Facebookは企業であり、企業はお金をもうけなきゃいけません。基本的に彼らは、お金を払っていないユーザーの無茶な理想をかなえる義務はありません。それに我々も、時間が経てば広告がもっと小さかったことを忘れて、大きな画像のニュースフィードでより大きな写真や広告を見ることに慣れてしまうのでしょう。
Sam Biddle(原文/miho)