バレエの動きってものすごく美しくて神秘的です。重力を無視した、同じ人間とはとても思えない美しさがありますよね。どれだけ意識的に身体を動かしているんだろうと考えてしまいます。そんなバレエの動きを静止画に閉じ込めたのが、写真家のヘスス・チャパ・マラカラ(Jesus Chapa-Malacara)さんです。
ヘススさん自身も以前はダンサーでした。そして、バレエという被写体を見つけるまでは、ブルックリンで子供のポートレイトを撮っていました。新たな被写体を探している時、始め、ヘススさんは「ダンスはないな。アラベスクなんて何億兆回も撮影されているし、そこに新たな創造の余地はない」と考えていたそうです。しかし、レンズをバレエに向けた時、彼の踊りに対する情熱と写真に対する情熱、両方が花開きました。
「ダンサーだったら、ラインの美しいポーズを取る事もすごく重要だけれど、それよりも、その間の動きを重視する。しかしほとんどの写真ではそれが捉えきれていない。」とヘススさんは言います。ヘススさんのやりたい事は決まっていたものの、撮影場所を探すのは大変でした。外の光を遮断できる暗い場所で、ダンサーが踊ることのできる十分な広さがなければいけません。そして、被写体になる事をOKしたダンサーの中には、コンクリートの上で踊ることは足に良くないので禁止されている人もいました。ようやく、シアター・フォー・ニューシティ(Theater for the New City)という所に協力してもらえて撮影ができたそうです。
ため息が出る程、美しい写真ですね。
そして、この写真、Photoshopフリーです。
mio [米版]