他にライカのカメラが1億8000万円、などなど。
先週末、U2のボノらの企画による(PRODUCT)REDのチャリティオークションがニューヨークのサザビーズで開かれました。コールドプレイのクリス・マーティンが160万ドル(約1億6000万円)で落札されたスタインウェイのピアノを演奏する傍ら、アップルのジョナサン・アイヴ氏による赤いシャイニーなMac Proは97万7000ドル(約9900万円)で落札されていきました。
Vanity Fairではそのオークションの様子を「普通のサザビーズのオークションとは違う」と評していましたが、庶民からするとやっぱり、お金持ちの集ういわゆるサザビーズのオークションですね…。このオークションには他にもいろんなものが出品されて、案の定驚愕のお値段で落札されていきました。たとえば…
ジョナサン・アイヴ氏と、同じくデザイナーのマーク・ニューソン氏が共同でカスタマイズしたライカのDigital Rangefinderが180万ドル(約1億8000万円)だったり、
両氏がデザインした机に140万ドル(約1億4000万円)の値がついたり、
ローズゴールドめっきしたアップル製イヤフォンは38万ドル(約3800万円)と、元のイヤフォンの何万倍にもなってたり、
エアストリーム社製トレーラーが30万ドル(約3000万円)に収まったのが、この中ではリーズナブルに感じられてしまうくらいです。
さらに20世紀の名品的なものも数多く出品されていて、まるでアイヴ氏とニューソン氏が自前の20世紀の製品デザインの博物館を作ったみたいでした。こちらはロシアの宇宙飛行士のスーツ(最終着用1990年)です。
アイヴ氏も尊敬する工業デザインの巨匠、ディーター・ラムスのオーディオシステムも。超美品です。
エットレ・ソットサスのデザインによるクラシックなタイプライター。
イタリアのアッキレ・カスティリオーニ、ピエル・ジャコモ・カスティリオーニ兄弟による大理石とアルミニウムのランプ。
Cinelliのトラック用バイク、Quadrophoniaのスクーターの忠実なレプリカ、それからFiat Jollyも出てました。
このオークションの場で、ニューソン氏はデザインについてこう語りました。「シンプルってことはそれ自体複雑なものなんだ。」それを受けたアイヴ氏も「それを成し遂げる唯一の方法は、配慮する(care)こと。そう、もう普通でないレベルまで。」
さて、今回のオークションは(PRODUCT)REDの企画で、ここで生まれた利益の1310万ドル(約13億1000万円)は全てアフリカでのエイズ撲滅活動に使われます。ボノは「(このオークションは)人からお金を引き離す、美しいやり方」だって言ってます。たしかに、たくさんのお金が華麗に手放されたみたいですね。
Images by Nick Stango, except for the one above, which is courtesy of RED.