自分の世界に没入です。
東京モーターショー2013は先日大盛況をもって閉幕しました。その中でも日産、ワールド・プレミアになったレトロモダンな IDxフリーフロー、 IDx nismoは注目の的でした。実はコンセプトカーの横に IDxを自分の好みにカスタマイズすることができる3D VRの体験コーナーがあったのです。世界初Oculus VR HDを使ったVRコンテンツ
3Dゴーグル Oculus VRは立体視が可能なだけではなく、Gセンサーにより360度すべてを見渡すことができます。上下左右はもちろん、真下である足元や真後ろまで見ることができるのでまさにその世界に入りこんでしまったかのような錯覚を覚えます。最初空中に浮いているので上を見れば空に流れる雲を、下をみるとはるか彼方に海がみえ、高所恐怖症の人はそれだけで足元がザワッっとしそう。今回 NISSAN IDxで使われたのは世界初のHDバージョン、より高精細な映像でSDのようなザラツキはないのでリアリティが格別です。
この映像体験は3Dゴーグルをかけ、選択肢を自分で選ぶことで進んでいきます。選択は顔をふって、選択肢となるターゲットを数秒注視するだけ。キャンセルするにはターゲットから視線をそらせばOKです。
選択肢は「スリルを求めるのか、ゆったりしたドライブを好むのか」といったイメージや、走る道、ボディカラーにストライプ、インテリアの配色などがあり、最終的にユーザーの好みに合わせてカスタマイズされた NISSAN IDxが出来上がるという仕組み。
特に驚いたのはインテリア。コンセプトカーは壇上にあるので普通乗ることができませんが、このVRゴーグルを使えばまさに運転席に座っているかのよう。左をみれば助手席が、後ろをみればリアウィンドウがみえてリアリティ満点、これは分かりやすい体験です。
製作はAKQA
この体験をクリエイトしたのはアメリカ、日本、ヨーロッパと世界に拠点を置くAKQA。
ディレクションはロンドンと東京のAKQA、3DはAVATARを手がけたロサンゼルスのスタジオが担当し、ロンドンのAKQA社内プログラマーが作りあげたそうです。体制だけみると広告代理店の範疇を超えて、もはやゲームスタジオ。これまでOculus VRの応用範囲はゲームが主だったのですが、今回のインタラクティブな体験は新しい試みで、これを使ってショッピングセンターなどにディーラーを作ったりできないかと検討しているそうです。確かにこれがあれば実車はなくともイメージは掴めるし、オプション装着も3D VRで確認できます。
東京モーターショーの期間中1515台の IDxが作られ、とても人気で最長待ち時間は70分、参加した90%以上の方が最後まで作りあげたということ。参加者の男女比は6:4、昨今若者のクルマ離れが指摘されますが、子供たちも相当数参加して、日産も驚いたそうです。
近い将来、紙のカタログでクルマとオプションを選ぶ時代ではなく、3D VRで注文する時代が来るかも知れませんね。
[AKQA、VR技術で自分だけのNISSAN IDxを作ろう]
(野間恒毅)