今年初めにオランダ ロッテルダムに完成した44階建てのビル、その名も ドゥ・ロッテルダム(ザ・ロッテルダム)はヨーロッパで1番大きなビルです。でも、その中には18坪の小さな住居があるんです。このアパートメントは間取りでいうと2部屋しかないのに5部屋分もの顔を持っているそうですよ。一体どういうこと?
ドゥ・ロッテルダムは上の写真で、橋の隣に見える3棟が足元でつながっている建物です。高さは150m、長手方向は100mもあり、中にはオフィス・ホテル・住居・商業施設などが入っています(ちなみに、橋がUNスタジオのエラスムス橋、橋とドゥ・ロッテルダムの間に建っているビルがレンゾ・ピアノのKPNタワー)。この建物の計画は16年前にさかのぼります。手がけた建築家はロッテルダム生まれのスター建築家、レム・コールハウス。今回紹介するのは、そんな巨大なビルの中にある18坪のアパートメント。冒頭で触れたように2部屋しかないのですが、イタリアのClei社によるトランスフォームする家具によって5部屋分の機能を持つんです。



リビングの壁がベッドになったり、デスクがゲスト用のベッドに変身したり。壁のオーナメントだって、実は椅子。こんな風にして、1つの空間をシーン合わせて使えます。
ドゥ・ロッテルダムの住居部分の販売を担当している会社、44/FLOORSのラタファーさんは、「この部屋はドゥ・ロッテルダムの価値を分かっている都市生活者のためのもの。[…]オランダでは部屋をサイズから考えるが、それは必ずしも大事なことではない」と語っています。
確かに、居心地のよさも、便利さも、大きさだけで図れるものではないんですよね。そしてそれを実感させてくれる住宅がヨーロッパで1番大きな建物にある。このギャップがまた何と言うか、本体のビルについても大きさ以外の話をしようよ!と思わせてくれますね。
mio (米版)