カメラは高画素で、バッテリーは大容量で…って、全部カスタマイズ!
グーグルがモジュール式スマートフォンプラットフォームのAraの開発に本腰を入れています。Timeによるインタビュー記事では、一番シンプルなバージョンを50ドル(約5000円)で販売することを目指すと明言しています。
でも面白いのは、シンプルバージョンの価格の安さより、それがきわめて柔軟なカスタマイズ前提の製品だってことかもしれません。カメラもバッテリーもプロセッサもディスプレイも、それぞれいろんな選択肢から選んで「endoskeleton(エンドースケルトン)」というフレームに着脱して組合わせられるんです。TimeがAraの関係者へのインタビューを元にその詳細を明らかにしました。
Araのコンセプトは元々モトローラのAdvanced Technology and Projects(ATAP)グループが手がけていたもので、去年10月に発表されてました。グーグルはモトローラの大半をレノボに売却しましたが、ATAPグループは手元に残していたんです。
Timeの記事によると、Ara端末の購入方法は3パターン考えられています。ひとつめは、コンビニエンスストアで「grayphone」と呼ばれる骨組みだけの端末を購入することです。grayphoneはスクリーンとフレームにWi-Fi接続機能+α程度の構成で、価格は50ドルと計画されてます。そこには端末をカスタマイズするためのアプリが入っていて、そこからユーザーの欲しいパーツをリクエストしたりできるんです。
ふたつめは、友達のAra端末からオーダーするというものです。たしかに友達の端末を見ながらだと、どんなものが欲しいかとかイメージしやすいですね。
そして3つめの方法がかなり大がかりなんですが、専用のキオスク端末を使うものです。この端末には特殊なタブレットが付いていて、ユーザーの皮膚反応や無意識の筋肉の動きや瞳孔拡張、心拍数などからユーザーの心理状態を推定し、おすすめのパーツを提示してくるんだとか。
このキオスク端末は世界中に設置することを視野に入れて、貨物コンテナにぴったり収まるよう設計されています。そこにはパーツや工具が入っていて、ユーザーが自分でデバイスをいじれるようにするそうです。
賛否両論ありそうですが、とにかく野心的ですね。ただ、エレメンコ氏は50ドルの価格を実現するにはまだ時間がかかると言ってますし、そもそもここまでカスタマイズできる端末にニーズがあるかどうかもわかりません。
でもTimeによれば、エレメンコ氏がこのプロジェクトで目指しているのは「偉大にすることであって、利益を出すことではない」(さすが!)そうです。だから別にたくさんの人に受け入れられなくてもいいのかもしれません。
グーグルは今年4月にAraのデベロッパーカンファレンスを開く予定で、その意気込みがうかがえます。さらにAraの開発に向けて意見やフィードバックを寄せる「Ara Scout」の募集も去年10月から続いています。興味のある方はこちらからチェックしてみてください。
[Time]
Jamie Condliffe(原文/miho)