Dropboxはどうやって著作権侵害ファイルを特定しているの?

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    Dropboxはどうやって著作権侵害ファイルを特定しているの?

    覗き見はしてないよ。

    先週末の騒ぎで、Dropboxが非公開フォルダの中の著作権侵害ファイルを削除できることを初めて知った方もいるかもしれません。またDropboxに非公開ファイルの中身を閲覧されているのでは心配になった方もいるかもしれませんね。でもファイルの中身は見られていないのでご安心を。実はDropboxは何年も前から、ファイルの中身を見ないで著作権侵害ファイルを削除できる対策を導入していたんです。

    週末の騒動の発端はDarrell Whitelaw(@darrellwhitelaw)(ダレル・ワイトロー)さんのツイート。Darrellさんは非公開フォルダ内のファイルがデジタルミレニアム著作権法違反を理由にDropboxに削除されたとツイートしました。これが3500名を超える人にリツイートされ、「ユーザーだけが閲覧・管理できるはずの非公開フォルダなのに!」とちょっとした騒ぎに。でもこのファイルの削除、実はDropboxが2年前から使っていたソフトウェアにより自動で実行されたもので、Dropboxがファイルを閲覧していたわけではありませんでした。

    Dropboxは「ファイルのハッシュ値をブラックリストと照合」する技術を使って、あらかじめ指定されたファイルが、Dropboxのサーバーを使って共有されるのを防いでいます。この方法を使えば、米国連邦政府から著作権侵害で怒られることもないし、ユーザーのファイルを実際に見ないですむのでプライバシー侵害反対という自社のポリシーにも違反しなくてすむというわけ。

    ではこの方法、実際にどのように機能するのでしょう。

    Dropboxが使っているハッシュ値とは、恣意の長さのデータをシンプルなアルゴリズムで計算して求めた固定長のデータのこと。これをマッピングすることで、アップロードされるファイルの1つ1つに一意の識別子が作成されます(またファイルは暗号化され、他の人が見ることができないようになります)。

    一方で、デジタルミレニアム著作権法違反の苦情がレコードレーベルや、コンテンツ作成者からDroboxに出されると、それらのファイルに対してもハッシュ値が作成されます。同一のデータからは全く同じハッシュ値が生成されるので、もし苦情があったファイルのハッシュ値とあなたがアップロードしたファイルのハッシュ値が一致した場合、 Dropboxはそのファイルを共有できないようにするわけです。以下、Dropboxのコメントです。

    弊社が著作権侵害の通知にどのように対処しているかという質問が複数寄せられました。弊社では、著作権違反に基づいてリンクを削除するようDMCA通知を受け取ることがあります。このような場合、弊社では法に基づいて処理し特定されたリンクを無効化します。そして自動化されたシステムを使用して、他のユーザーが別のDropboxリンクを使用して同一素材を共有するのを防いでいます。これはファイルのハッシュ値を比較することで実行されています。

    弊社が非公開フォルダ内のファイルを見ることはありませんし、皆さんのデータを安全に守ることに全力で取り組んでおります。

    シンプルで、合法で、ユーザーのファイルを覗かない。よかった、覗き見されてなくて。

    [Engadget]

    Jamie Condliffe(米版/mana yamaguchi)