一見ただのボタンに見えますが、実はただのボタンなんです。
この何の変哲の無い赤いボタン「bttn」は無線インターネット接続でき、ポチッと押せることが特徴なんです。「いや、私が持ってるパソコンもスマートフォンもスピーカーもPhilips Hueなんかも全部ネットに接続してるし、押すだけが取り柄のボタンなんか必要ないでしょ」と思うかもしれないのですが、そこがフィンランドのスタートアップ「The Button Corporation」によりbttnが開発された大きな理由です。
この赤いボタンを何に使うかはあなた次第で、来客が押せるドアベル代わりに使ったり、違う部屋にある照明を消したり、気分が良くない時に押せる自家製ナースコールにしたりとその用途は無限大。SMSや携帯電波、Wi-Fiを使って常にネットに繋がっているので、世界の反対側から押しても大丈夫。
またbttnのサーバーは様々なネットワーク技術に対応していて、「HTTP」やニュースサイト・ブログの通知に使われる「RSS」、「〜をすれば、〜をして」という命令文のレシピを登録しておける「IFTTT」などにも対応。もちろんメールやTwitter、Facebookなどとの連携もでき、自分の用途にあわせて自由自在に設定できるんです。コマンドの設定はパソコンから一生懸命プログラミングでコードを書いてアップロードをして、という作業をしなくても、どのブラウザからでも簡単にカスタマイズすることができます。
ボタンの中にはLEDが入っており、メッセージ送信中は黄色に、完了したら緑色に光らせるなど自分次第。小さなスピーカーも内蔵しているので、音のフィードバックも設定できるとしています。電源は単三電池またはUSBケーブルに対応しています。
現在は公式ウェブサイトより予約を受け付けており、8月下旬までは69ユーロ(約9,600円)の価格で注文できます。出荷予定日は2014年10月。決して安いとは言えませんが、この値段をどう見るかはその使い方次第で、人それぞれではないでしょうか。
アップルもSiriで家をコントロールできる特許を取得したり、スマートホーム関連のソフトウェアの噂があったりと、モノのインターネット(IoT)の足音が聞こえますよね。このボタンも何年後かには、コンセントと同じぐらい当たり前に家の中にとけ込んだテクノロジーになっているかもしれませんよ。
(徳永智大)