顔がどっちを向いているか、アマゾンは見ている…。
3D端末だとさんざん噂があったアマゾン電話。発表されたFire Phoneの3D機能は「Dynamic Perspective」と呼ばれるアマゾン独自のものです。3D効果が発揮されるのは、電話をいろいろな方向に傾けたとき。さて、どういうものなのでしょう。
●Dynamic Perspectiveとは?まず、3Dうんぬんの前に、そもそもDynamic Perspectiveとはなんなのかというと、それは片手で使えるジェスチャーコントロール機能であるということ。端末を傾けるという片手のみの動作で、ウェブページをスクロールしたり、本のページをめくったりできるわけです。つまり、タップの必要すらないということ。発表では、デモとしてジェフ・ベゾス氏自らがFire Phoneを傾けて、画像をスクロールするシーンがありました。傾ける角度によって、スクロールのスピードも変わります。
そして、この機能を使った鍵となるのが3D地図です。端末を傾けることによって、建物(デモではエンパイア・ステート・ビル)を上から見ることができます。その間、画面フリックで情報レイヤーをオン/オフすることも可能。
コアユーザーにはマニアックな仕様として喜ばれるでしょうが、正直、一般のライトユーザーにはたいして使わない宝の持ち腐れ機能となりそうな予感もします。
●どのような仕組み?Dynamic Perspectiveはどのような仕組みで動いているのでしょうか。ベゾス氏曰く、内蔵されたジャイロスコープや加速時計の役割は大きくないといいます。重要なのは、顔の向きを捉える複数のカメラの存在です。
視野72度のフロントカメラに加えて、アマゾンが新たに開発した120度視野のカメラが肝となります。X軸、Y軸、Z軸で全ての方向を知るため主に使用されるカメラは、内蔵される4つのカメラのうち2つ。残りの2つ(赤外線LED内蔵)は暗い場所に活躍の場があります。アマゾン曰くカメラはどれも超省電力で動くというので、バッテリーの心配もないのではないでしょうか。ちなみに、カメラにはそれ専用のプロセッサまであります。
Firefly視覚認識技術とともに、Dynamic PerspectiveのSDKが公開されます。これによって、第三者がこの機能を使ったアプリの開発が可能となります。
Dynamic Perspectiveは、アマゾンが新たに開発した素晴らしいテクノロジーであることは間違いありません。しかし、それが生きるか死ぬかは、それを使うユーザー、ひいてはアプリを作る開発者の手に委ねられているといっても過言ではありません。宝の持ち腐れ機能とならないためにも、これからでてくるアプリに期待がかかりますね。
Mario Aguilar - Gizmodo US[原文]
(そうこ)