アマゾンらしい独自性。
アマゾンの噂されてきたスマートフォン「Fire Phone」がようやく正式発表されました。フェイストラッキング技術3Dディスプレイと、なんでも商品をスキャンして買いやすくしてくれるFirefly機能が搭載されています。斬新な機能は置いておくとして、アマゾンの新端末をライバル企業のスマホと比較してみることにしましょう。
まず始めにハードウェアから。Fire Phoneは独自のソフトウェア「Fire OS」(掘り下げていくとこれはAmazonソフトウェアのレイヤーが被さったAndroidなのですが)で動作し、Galaxy S5より少しだけ下回るクアッドコア2.2GHzプロセッサを搭載しています。
次に、誰もが議論しているディスプレイとカメラです。スクリーンサイズと解像度ではアマゾンのスマホは下から2番めのスペックで、まもなくアップグレードされる予定のiPhone 5sを上回るだけです。3Dのギミックを考慮しても、Fire Phoneの4.7インチの720p解像度は、Galaxy S5の圧倒的なスペックとは比較にもなりません。しかしよく考えてみると、Moto Xも720p解像度で問題ありませんよね。一体どんなディスプレイなのか、ハンズオンが必要ですね。
それに、どのスマホもヘッドトラッキング3D技術は搭載していません。ジェフ・ベゾスのデモではとてもクールでしたし、もしかしたらその他のパッとしないスペックを忘れさせてくれるかもしれませんね。
カメラでは、アマゾンのスマホはこの中ではトップクラスです。210万画素のインカメラは普通ですが、1300万画素背面カメラはGalaxy S5とここでは最高の2000万画素を搭載したLumia Iconの次に優れています。ですがカメラのクオリティは単にメガピクセルだけで比較できません。実際に撮影したサンプル画像を比較するまで待ちましょう。
その他のスペックはほとんど互角です。Fire Phoneは2GBメモリー、32GB/64GBのストレージ、2400mAhのバッテリー容量は理論上iPhone 5sよりも大きく、Lumia IconとNexus 5と大体同じ位の容量です。前面に搭載された4個のフロントカメラがはたしてどれくらいバッテリーを消費するのか、気になります。
価格帯? まずFire PhoneはAT&Tエクスクルーシヴで、32GBが2年契約で200ドルです。ですが99ドルのAmazonプライム会員1年分が含まれるので、実際には2年契約で100ドルと考えることができます。
結果として、アマゾンのスマホはほぼどのスマホと互角の内容のようですが、実際の利用においてはまだまだ不明な点があります。素晴らしい3Dディスプレイは、比較的普通なディスプレイのスペックよりもすごいのかもしれませんし、どの企業も提供していないFireflyやMayday、無制限のクラウド型画像ストレージなど、スペックシート上では見えない魅力があります。ハンズオンしてさらに解明していきましょう。
Robert Sorokanich - Gizmodo US[原文]
(鴻上洋平)