アナログだからこそかっこいい。
スパイと聞けば映画「007」シリーズを思い出しますよね。僕もMI6エージェントであるジェームズ・ボンドが、研究所で極秘に開発されたガジェットを駆使している姿に心を躍らされました。そのほとんどは時計にGPSやカメラが付いてたり高機能な車だったりと、ガジェット好きの原体験になっていると言っても過言ではありません。
でも誰かをこっそり盗撮したりするための小型ハイテクガジェットは、決して劇中のおとぎ話ではありません。アメリカの防諜機関であるCIAやイギリスのMI6、ソ連のKGBなどでは、かつての戦時中や冷戦時に身の回りの装飾品に隠してスパイできるようなガジェットを実際に数多く開発していたようです。
CIAのウェブサイトやFlickrページでは、さまざまなスパイ向けガジェットをみることができます。当時実際にどれだけ使われていたかどうかは不明ですが、今でも驚くようなものばかりです。
そのいくつかを以下で紹介します。
タバコケースに隠せるテッシナ製カメラ
タバコケースに忍ばせるぐらい小さな35mmフィルムカメラ。シャッター音などの操作音が静かで、手前に付いているホイールは絞り調節やフォーカスリングになっています。
鳩カメラ
見ての通り、鳩に付けて撮影するための軽量カメラ。ターゲットの上を他の鳩と共に飛ばし、約30mの近さから撮影できます。遠隔からどうやってシャッターを切っていたのでしょうか? 飛ぶ速度と距離を計算したタイマーでしょうか。これ絶対気付かなさそう。
マイクロドットカメラ
冷戦時代のスパイが使っていた小型カメラ。書類のページを丸ごと小さな丸に縮小し、解読者は専用の顕微鏡のようなヴューアで見ることができたようです。カメラは指輪や中が空洞の硬貨に隠されていたそう。
1ドル硬貨ケース
一見するとただの1ドル硬貨。パカッと空けると小さなケースになっていて、中に手紙やフィルムを入れて密かに送っていました。欲しいけど間違って使ってしまいそう。
手紙除去デヴァイス
第二次世界大戦で使われていた、封筒を開けることなく中の手紙を取り出せるデヴァイス。封筒の端から差し込み、中の手紙をクルクル巻いて取り出します。アナログなハッキング。
今となっては小型のハイテクコンピュータや時計型デヴァイスで写真撮影できたりなど、ウェアラブルガジェットの全盛期ですが、戦争や冷戦など切迫感があった時代だからこそ、これまで洗練されたスパイ向けガジェットが生まれたのではないでしょうか。
まだまだここで紹介していない目から鱗なガジェットがたくさんあるので、気になった方はCIAのウェブページで閲覧してみてください。またテッシナ製のミニカメラなどはeBayやヤフオクなどのオークションサイトでも出回っているようなので、気になる方は探してみると楽しいかも。
でもスパイ用途に使ってはダメですよ!
Kim Zetter - Gizmodo US[原文]
(徳永智大)