何だか名前が無駄にかっこいいんですが…。
HTML5やJavaScript、PHPにCSS、XMLなどなど…挙げだせばキリが無いプログラミング言語。分野ごとに違ったものがスタンダードをとっている為、プログラマーは複数の言語を学ばなければならないケースが多いです。そんな問題を解決するため、アメリカ国家安全保障局(NSA)がカーネギーメロン大学に出資して、1つの統一言語を作るプロジェクトを進めているんだそう。
伝説上のドラゴンの名前を取って、その名も「Wyvern」(ワイバーン)と名付けられたこのプロラミング言語は、アプリケーションやウェブサイト作りにおいて複数の言語が入り乱れている状況を改善するべく、開発が進められているんだとか。
開発者は以下のように語っています。
今日のウェブ・アプリケーションは全く統一性のない複数の言語で書かれており、ごちゃまぜ状態です。例えば、1つのウェブ・アプリケーションを作るのに、クライアント側ではJavaScriptが使われており、サイト構造を表すのにはHTML、見た目はCSSで、通信にはXMLが、果てにはJavaやプレーンテキストの文章まで登場する…という具合に。この雑多性は多くの言語を学ばなければならないという意味で開発者の負担を高めているし、セキュリティの観点から言っても、多くの言語が乱立していることはシステム全体の安全性を低下させています。
NSAがこのプロジェクトの為に出資しているのは、おそらく最後のセキュリティの問題が原因でしょう。今でこそインターネット上でのスパイ行為が取り沙汰されている同局ですが、アメリカのインターネットの安全性を守るのは元はと言えばNSAの仕事です。
目的がどうであれ、「統一言語」の普及によりウェブサイトやアプリケーション作りへの敷居が下がれば、アメリカだけでなく世界全体にとっても良いことだと言えます。何と言っても、新しくプログラミングを学ぶ人にとっては、1つ学ぶだけで良いというのは魅力的ですよね。ただし、Wyvernがスタンダードとして普及せず、「新たな1つの言語」の立ち位置に甘んじてしまった場合のことを考えると、これってますます混乱が高まるばかりなのでは…? との懸念もあります。ともあれ、今後もその進展に注目していきたいですね。
Image by Michael Himbeault under Creative Commons license
source: Wyvern via Motherboard
Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]
(daiya)