電気を使わないで冷やす冷蔵庫。必要なものは鉢と砂と水

    電気を使わないで冷やす冷蔵庫。必要なものは鉢と砂と水

    この記事は2012年09月11日に掲載されたものを再編集したものです。

    食べ物を保存するのに不可欠な冷蔵庫。ただ安定した電気の確保が見込めない所では役に立ちません。でも、電気を使わずにモノを冷やす方法があるそうです。それが Zeer Pot。必要なのはテラコッタの鉢と水、そして砂だけ。この装置は、暑くて乾燥した環境なほど効率的に冷却ができるそうですよ。

    準備するもの

    テラコッタの鉢をサイズ違いで2つ:直径の差が5−8cmで排水用の穴がないものが理想です。また小さい方の鉢は釉薬がかけられているものの方がベター。

    :小さい方の鉢が外側も内側も釉薬がかけられているものなら、飲料水でないもの(海水とか)も使えます。

    滅菌砂1袋:小さい方の鉢の上部を覆える大きさの麻布。

    作り方

    1. 排水の穴が空いているものだったら、コルクなどで穴を塞ぎます。そうしないと、食料品庫がびしょびしょになってしまいます。

    2. 大きい方の鉢に3cm程度、砂をしきつめます。砂の上に小さい鉢を置いた時に、鉢のへりが合うようにします。

    3. 小さい鉢を真ん中になるように置き、2つの鉢の間に砂をいれます。へりから3cm程度までいれます。

    4. 砂の上から水をいれます。もうこれ以上染み込まないというまで水を入れてください。

    5. 食べ物を小さい鉢にいれます。濡らした麻布で鉢を覆います。

    出来上がり! 1日に1、2回水を追加すればOK。

    ZeerPotについて

    Zeer Potは1995年にMohammed Bah Abbaさんが開発しました。彼は鉢を作りを仕事にしている家庭に生まれて、ナイジェリアで教師をしていました。

    Zeer Potの発想はすごくシンプルです。釉薬がかけられている鉢を、より大きい鉢に入れ、鉢同士のすき間に砂を入れて水を染み込ませる。そうすると、水が蒸発する際に内部の鉢の熱を奪っていくのです。水を定期的にいれるだけで、鉢の中には12kg程度の食料品を3〜4週間の間、新鮮に保てるようになるのです。1ワットも電気を使う事なく!

    このアイディアによって、Bah Abbaさんは優れた事業に贈られるローレックス・アワード(2000年)を受賞し、7万5,000ドル(約770万円)を手にしました。また2001年にはサステイナブルな開発に贈られる賞、ワールド・シェル・アワードも受賞しています。現在Zeer Potは200ナイラ(ナイラはナイジェリアの通貨。200ナイラは約100円)で販売されており、年に3万個程度売れているそうです。

    どんな時に重宝するか

    北アフリカは、その暑さから食べ物の保存が一般的ではありませんでした。果物や野菜は1日~2日で、お肉は数時間でダメになります。つまり、食料品はすぐに売られ、消費されないといけないのです。

    スーダンでは農産品を市場に持って行くのは女性の仕事。これが日課だとしたら、女性は教育を受ける時間がありません。でも、週に市場に行く機会が週1回になれば、もっと多くの時間を学習に割けるようになります。それがZeer Potがもたらすものなのです。

    それだけではありません。すぐ売り切る必要がなければ農家の人たちはもっと交渉力を得ることができます。傷んだ食べ物でお腹を壊す子供も減ります。病気になったら、温度に敏感なワクチンを打つこともできます。日本でも停電の時やキャンプでも役にたちそうですね。

    気化熱自体はとてもポピュラーな知識。でも、そんな風に使えるなんて考えたこともありませんでした。発明のヒントって、いろんな所に隠れているものですね。

    image by Julie Brown / Practical Action

    source: Practical Action , Wikipedia , MBendi, WikiHow

    Andrew Tarantola - Gizmodo US[原文

    (mio)

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