東大発、電気を「描ける」ペン

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    東大発、電気を「描ける」ペン

    電気を「描く」?

    今年、Kickstarterで実現した東京大学発のベンチャー企業AgICの”電気回路を紙にプリントする”技術。このプリンターのインクを使ったペンが今月発売されました。

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    このインクは銀のナノ粒子を含んでいて、電気を通し、その上にLEDチップや電池を貼りつけて、回路を作ることができるんです。CEOの清水信哉さんに実演していただくと、こんな感じ。

    回路を作り始めてから、LEDが光るまでほんの30秒。簡単!

    新しい表現のツールとしての「電気」

    回路が紙に描ける? それって役に立つの? と思うかもしれません。そもそも回路は普段はあまり馴染みがないもの。冷蔵庫や電子レンジの見えないところに収まっていますよね。

    このAgICの技術は、既存品の代替やコストダウンなど実利用的な面よりも、「電気をみんなのものに」ということを意識して開発されています。つまり、身近に感じてもらうというスタンス。

    家庭のプリンターで印刷でき、回路を描くのにも専用のソフトはいりません。ペンで手描きできるくらいなので、PhotoshopやペイントでもOKです。電気が誰でも簡単に使える1つのクリエイティヴツールになる。電気ってこんなにも表情豊かだったんですね。

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    鳥や花のイラストが回路になっていて、LEDが光ります。

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    こちらは風車のプリント模様が回路に。中心には電池が。

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    オフィスにあった「体重グラフ」も、LEDが光る回路でした。

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    名刺も光る。インタラクティブ広告にも応用されているんだそうです。

    このAgIC 導電性インクペン(1,200円)は、9月12日(金)にAmazonで一般発売されたばかり。前回の英語版はすぐに売り切れたようなので、気になる方はお早めに! またプリンター用インクもプレオーダーを受け付けています。

    また、子ども向けの学習キットも現在制作中。はんだ付けなどの作業がないので、安全に簡単に楽しめます。

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    こちらは学習キットにしたいと言うスピーカー。壊れてもすぐにプリントできます。

    「(製品そのものというよりも)新しい電気の体験を提供したい」と清水さんは話します。このプロダクトの登場で、これからの人と電気との関わり方は大きく変わっていくかもしれません。

    source: AgIC

    (斎藤真琴)