世界で一番高価な切手は、今年6月に9.7億円で落札された英領ギアナの1セント切手。でも、世界で一番クールな切手は何かと訊かれたら、1970年代にブータンで発行されたこの丸い切手でしょう!
この切手は実際に航空便で使われているものなんですが、普通のレコードと同じように国歌などの音源が刻まれていて実際に再生もできるんです。サイズは直径10数cmと切手にしてはかなりのビッグサイズ。
ブータンはインドと中国に挟まれたヒマラヤ山脈沿いにあり、非常に幸福度指数が高い国としても知られていますよね。でも、実は1950年代から布製やセルロイド製など一風変わった切手を発行していて、切手収集家からは注目度の高い国でもあります。
こうした珍しい切手シリーズは、多才で冒険心に満ちたアメリカのアントレプレナーBurt Toddさんがブータンの王室の要請により発案したのがはじまり。国際的な商材によって国の経済に刺激を与えるのが目的だったと言われています。
レンズのような3D効果が施されたこの切手の素材はシルクからゴールドまで幅広く、レコードとしての機能も兼ね備えた「世界初の喋る切手」となりました。この切手をプレイヤーで再生すると、なんとブータン国歌やToddさん自らが語るブータンの歴史が流れてきます。実際の音源はWFMU(Dangerous Minds経由)で試聴できるのですが、音もなかなかきちんとしてて、なんだか感動。
発行から数十年が経ちToddさんが2006年に他界した後、ブータンはさらにCD切手を発行。こちらはジャケット部分が切手になっていて、中のCD-ROMを取り出すとブータンの歴代国王の業績等のデータを閲覧できるそうです。将来的には、Oculus Riftで見れるバーチャルリアリティ切手やAR切手も出るかも…?
Source: Dangerous Minds, Bhutan Philately, Bhutan Postage Stamps, New York Times, Kunioの世界の切手紹介と海外写真集
Jordan Kushins - Gizmodo US[原文]
(Rumi)