山崎が世界一のウィスキーに。英米の反応

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山崎が世界一のウィスキーに。英米の反応

1976年のフランスvsカリフォルニア伝説のブラインド対決みたいな衝撃...というと大げさかな?

英専門誌ワールド・ウイスキー・バイブルが選ぶ世界最高のウィスキーにサントリーの「山崎シングルモルト・シェリーカスク2013」が日本から初めて選出され、本場スコットランドが初めてベスト5から転落、新旧明暗をわけましたね。

欧米の人はどう受け止めているのか? ランダムチェック。

TIME

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なんでも今回の世界最高のウィスキーは「ほぼ筆舌に尽くしがたい非凡さ」らしい。100点満点の97.5点をマークした。ちなみにスコットランド産では、ない。

ウイスキーバイブル創刊12年の歴史の中でスコットランド産が5位に1点も入らなかったのは今回が初めて。2位、3位はアメリカ産だ。[...]

Ron Taylor氏(ワインとウィスキーの審査員と講師が仕事)に取材してみたら、日本産ウィスキーは権威ある大会の優勝の常連なので驚きではないそうだ。スコットランド国内の大会でも勝っているらしい。

もっとも最終的には審査員の好みだ、とも。日本産シングルモルトはレクサスのようなもので、「匠の逸品で、まったくブレがなく、スムーズで、安定感があり、いつも変わらず満足させる」。それに引き換えスコットランド産はじゃじゃ馬のマセラッティみたいなものだからね、とTaylor氏(スコットランド生まれ。自称・無派閥)は言っている。

英紙ザ・ガーディアン

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日本産ウィスキーといえば昔は物笑いの種だったが、近年は数多くの賞に輝き、各界批評家に絶賛されている。[...]

日本では今、マサタカ・タケツル(1923年の山崎創業にも協力した)とスコットランド人の妻リタ・カウンの実話ベースの人気TVドラマを公共放送NHKで放映中だ。

ふたりはタケツルがスコットランド留学中に知り合った。タケツルは祖国に蒸留所を作る志を抱え、化学を学んでいた。ふたりは家族の反対を押し切って結婚し、1921年、日本に渡る。

そうして1934年、日本の北の最果ての島・北海道で大日本果汁(現ニッカ)を創業した。彼とリタは今もこの地に眠る。

マッサンがこんなところにも! 確かに日本のメーカーのウィスキーが世界一に選ばれたタイミングでドラマが放映されてるなんてすごいタイミングです。

英タブロイド紙デイリー・メール

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過去3年のうち2年はスコットランド産が世界一に選ばれた。2012年はオールドプルトニー21年物シングルモルト、2014年はグレンモーレンジィ・エランタだ。

が、海外からこのような高品質のウィスキーが現れたことをスコットランドの業界は警鐘として受け止めるべきだと、ウィスキー・バイブル発行人のJim Murray氏は語る。

「今の業界は弾(一番大事なもの)を見失っている」、山崎のものは「今のスコットランド産ではとても太刀打ちできないシングルモルトだ」。

2015年版の審査に当たって、氏は世界中のウィスキー4,700種を試飲した。うち数百種はスコットランド産だったが、「命の絶頂のウィスキーが見せる複雑な味わいは一体どこに消えたのだ?」と苦言を呈する。

「自己PRのハイプを間に受けて、定番ブランドは一歩もそこから動かず、中には後退しているものもある」

愛を感じますね。

読者からの反応

デイリー・メールを中心にピックしてみました。

「スコットランド、独立で忙しかったもんな…」

「ウィスキーにベストはない。好みがあるだけだ。ある者には肉でも、別の者には毒たりえる」(英ノース・スタッフォードシャー)

「自分がこれまで試したベストに日本産もいくつか入ってる。日本の蒸留所に行くと、スコッチ・ウィスキーの製法をそのままコピーしたって認めてるよ。でもそれをベースに可能な限り改良したんだってね」(英ロンドン)

「それでより良いものが生まれるなら無問題」(英ヨーク)

「他の人の発明をベターにするんで日本は有名だもんね」(米ロングビーチ)

「水は? ハイランドとアイランドの水はどうコピーしたん?」(英)

「だからコピーしたのは製法だってばよ」(英)

「今休暇で日本きてて、ちょうどウィスキー試したとこ。最高。因みに日本のウィスキーって免税店よりずっと安いのな」(英)

「1ケースよろしく」

「スコットランド、今の市場に合わせて改良しないで、外国には絶対市場の優位は脅かされないって高をくくって月桂冠の上に何世紀もあぐらかいてしまったのかな」

「自惚れでいい気になってる間に新大陸のワインに追い越されたフランスの教訓に学ぶべき」(英)

「自分は誰がつくっても気にしない。おいしければそれで」(米)

「1本100ポンド(1万8,310円)かあ…」(英)

「100ポンドなんて序の口だよ! 何週間か前にフォートナム&メイソン行ったらハイランドパークのモルトウィスキーが1本2500ポンド、ザ・マッカランなんて1万ポンドしたぜ」(英)

「がんばれ日本」(NY)

「こりゃスコットランドも酒(SAKE)づくりがんばんないと」(ワシントンDC)

source: TIME, The Guardian, Dailymail

(satomi)