「忘れられる権利」と聞くと、必ずいつもThe Strokesの「What Ever Happened?」冒頭が頭の中に流れます。さ、それはさておき。
数年前から話し合われ、物議をよび、今年頭についに欧州司法裁判所が制定したEUの「忘れられる権利」。この権利を巡っては、今年すでにあれこれニュースとなっています。が、EUはこの権利をEU内だけでなく、世界に拡大していきたいと考えていると、ネタ元のウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)が報じました。
世界に拡大とはどういうことでしょ? 例えば、何か削除してほしいことがあり、忘れられない権利を行使して、グーグルに削除要請するとします。現在では、「.fr」やら「.co.uk」やら、EU関連のドメイン内だけで削除要請が適用されています。が、世界拡大するとこの要請が「.com」やらひいては「.co.jp」やらにも及んでくるということです。
なぜEUが拡大を望むのか、その理由は明白です。だって「Google.co.uk」の検索結果から消えても「Google.com」にあれば、削除は大した意味を持たないでしょうから…。しかし、EUの法律である以上、他国の司法を超えてこの権利を主張するのは非常に難しいこと。WSJは記事内で、IPアドレスによって削除あり/なしのページ表示をするという意見を出しています。確かにこれも1案でしょう。しかし、忘れてはいけないのは、ネットの世界から過去を消すことは大変難しいという大前提ですよ。
image: Jirsak/Shutterstock
source: Wall Street Journal
Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]
(そうこ)