ダンボール製の一眼レフ「DANCAM」は日本のモノづくりスピリットの結晶

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    ダンボール製の一眼レフ「DANCAM」は日本のモノづくりスピリットの結晶

    撮る思い出も残すカメラ。

    ただいま開催中のCP 2015の片隅でとっても可愛いカメラを見つけて一目惚れしてしまいました。長野県生まれのダンボール製カメラ「DANCAM」、れっきとした一眼レフです。

    DANCAMの生まれた地、長野県諏訪地方は、かつてオリンパスやセイコーエプソンなどの工場が数多く存在し「東洋のスイス」と呼ばれていました。その多くの工場が撤退した今でも、下請や孫請けで高い技術を持った企業がたくさん存在する、その技術で何か新しいことはできないか?と中小企業のオーナーたち6名が集まって作り上げたのがDANCAMです。こんな可愛らしい見た目ですが最新技術が使われているんですよ。

    dancam_cpplus05.jpg
    DANCAMのデザインを担当された今井さん

    レンズは1枚の非球面レンズ。通常の一眼レフカメラのレンズには多くて20枚ものレンズが使われていて、収差と呼ばれる光のズレを調整しているものですが、DANCAMのレンズは1枚。これは収差がないと言われる非球面レンズを使用しているからで、非球面レンズを研磨するには非常に高度な技術を必要とすることから実用化が困難とされていました。また、DANCAMの本体であるダンボールを真っ黒にする技術も最新のものだそう。

    dancam_cpplus03.jpg
    レンズは取り外して交換可能

    使い方もとってもシンプルです。まず、レンズ部分を出し入れしてピントを合わせます。次に、上部のファインダーについた取っ手を引き上げます。これが、一眼レフカメラでいうところのレフ板が上がった状態。そのまま被写体も、カメラも動かず30分待てば完成です!

    dancam_cpplus04.jpg

    そう、DANCAMは使用している感光紙の特性で撮影に30分かかるのです。でも、あの坂本龍馬も写真を撮る間にトイレに行って、また同じ場所に立ったという逸話もありますからね。たまには龍馬の気分になってカメラの前でじっと構えてみるのもいいのではないでしょうか?

    価格は組み立てキットが3,800円。カメラの構造がよくわかるので教材としても良さそうですね。お子様にはMINICAMという小型モデルも展示されていましたよ。

    source: 合同会社MonoGo

    (前田真希子)