パソコンに向かってつぶやく人が増えるのかも……。
iPhoneに搭載されたSiriの音声アシスタントにより、ボイスコマンドで対話して操作するユーザーインターフェース(UI)も、すっかり有名になりましたよね。
そしていま待望のWindows OSでも、してほしいことや尋ねたいことを口にするだけで、スムーズに答えてくれるパソコンやタブレットが実現しようとしています。
Windows 10で標準搭載される「Cortana」は、iOSのSiriとAndroidのGoogle Nowのいいとこ取り? そんな前評判の高さで話題のCortanaと会話して利用するWindowsって、いったいどのような世界なのでしょうか? 実はモバイル向けのCortanaは、すでにWindows Phone 8.1で実装を終えています。まだ英語でしか十分には恩恵にあずかれないものの、とりわけ便利で優れているとされるCortanaの十八番をご紹介しましょう。なかなかの優れものぶりがわかりますよ!なお、Windows 10の正式リリース時には、日本語でもCortanaの魅力を堪能できるようになっていることを期待しますが、この記事ではオリジナルの英語のコマンドを紹介。18タイトルの英語コマンドで、そのままCortanaに話しかけるとなにができるのか? まずはご確認くださいませ~。
1. What’s the weather in…?
なにげなくスマートフォンに語りかけて、これからの天気を知りたい。そういうときってありますよね。お出かけ先の天気のことが気になるというケースもあります。Cortanaは、現在の気温から今後5日間の長期予報にいたるまで、気軽に知りたい場所の最新の天気を教えてくれるのが便利ですよ。
2. How’s my schedule looking?
この後、どんな予定が入っているんだったっけ? ふと気になったら、すぐにCortanaに尋ねてみましょう。最新のスケジュールを、ササッと調べて教えてくれますよ。あるいは質問を変えて、次に予定が入っているのはいつなのかを「When’s my next appointment?」と尋ねたり、友だちの誕生日を名指しで「When is Jane’s birthday?」と話して調べてもらうことも可能です。思い立ったそのときに、なんのボタンやキーも押すことなく語りかけるだけでCortanaが知らせてくれるのはいいですよね。
3. Show me messages from…
上司から指示されていた内容を思い出せない。あの人と会う約束をしていたはずだったけど、それはいつのことだったかな? そんなシーンで役立つのは、これまでのメールやSMSでのやり取りから調べ直すことです。さすがはCortanaはアシスタントとよばれるだけあります。連絡先に登録されている人であれば、名前を告げるだけで、その人と送受信した一連のメールやSMSの履歴を調べ上げ、瞬時にリストアップして表示してくれますよ。
4. Remind me at 2pm to…
アシスタントは秘書のようなものです。自分が忘れかけているようなことでも、秘書には機転を利かせてリマインドしてくれるように期待しますよね。Cortanaは、いつでも指定の時間や場所、あるいは出会った人物に応じて、これをするようにとのリマインダーを一発登録。後ほど、その時間がきたら、さりげなく語りかけて思い出させてくれますよ。リマインダーの内容は、ユーザーが自由にしゃべって登録できます。この機能こそ、Cortanaのベストポイントだと高い評価を受けてもいるんだとか。
5. Wake me up in half an hour
夜眠る前には、きちんと翌朝のためにアラームをセットして寝るという人は少なくないでしょう。でも、昼間にウトウトと急に眠気がして、もうどうにもならなくて寝落ちしてしまいそうなとき、わざわざ手先を動かして、いまから何分後に起きなければならないのかを逆算してアラームをオンにする……。そんなことはしたくないし、えい、面倒だからこのまま寝ちゃおう。で、案の定、予想外に寝過ごしてしまって大変なことになってしまった経験って、だれにでもありますよね?
しかしながら、Cortanaは、眠りに落ちる寸前に「30分後に起こして」と頼んでおけば、しっかりその通りに目ざめさせてくれます。アラームの時刻を合わせるという習慣すら不要になってしまうのでしょうね!
6. Get driving directions to…
音声アシスタントの最大の魅力は、スマートフォンを指先で操作できない場面でも、会話しながらヘルプを依頼できることにあるでしょう。自動車を運転していて、ふと道に迷ったとき、Cortanaに目的地へのルートを教えてと頼んでみましょう。地図アプリ「Here」が立ち上がり、現在地から目的地までの最新ルートを確認できる画面になりますよ。これが進化すれば、カーナビすらいらなくなってしまうのかもね~。
7. What’s the best … near here?
Cortanaが威力を発揮するのは、単に運転中だけではありません。見知らぬ場所を歩いていて、周辺で美味しいものが食べたくなったときや、とにかく暇つぶしがしたくなったら、この近くのいいレストランや遊ぶところを知らないかと尋ねてみましょう。口コミ評価の高い順にレコメンドしてくれますよ。
8. Show me the headlines
最初にWindows Phoneを購入してCortanaのセットアップを行なうときには、スポーツからガジェットにいたるまで、どんなことに興味があるのかを向こうから尋ねてきます。面倒に思えたとしても、できるだけ詳しく自分の好みを伝えておきましょう。最新のニュースを教えてとつぶやくだけで、Cortanaが記憶しているユーザーの好みに合わせて、ヘッドラインニュースを収集表示してくれますよ。それを画面を眺めつつ読むのもよし、Cortanaに読み上げてもらって聞くのもよし、どちらでもお好みのままに。
9. What song is this?
いま流れている曲は? そう尋ねるだけで、Cortanaは認識したメロディーから楽曲検索をかけ、たいていは数秒以内のスピードで答えが返ってくるそうです。便利な時代になりましたよね。
10. What is three kilometers in miles?
3kmは何マイル? 120ドルは何円? 53×25は? あまりにもデジタルアシスタントが賢いと、人間はバカになってしまわないのでしょうか。思わず余計な心配までしてしまいそうですが、とにかくCortanaは計算だって得意です。度量衡の換算から為替レートの換算まで、もうなんでもござれ。マイクロソフトは、Bingの検索エンジンが優秀だからだと説明してもいるようですけど……。
11. Play music
音楽プレイヤーをタッチ操作でスタートすることも、きっと昔の話になってしまうんでしょうね。なにか音楽をかけてと頼むと、Cortanaはランダムに曲をシャッフルして再生してくれます。もちろん、特定のアーティストの名前を告げれば、その歌手の曲ばかりを再生する設定も可能ですよ。
12. Text…
これ、メールしといて。秘書に一言告げておけば、あとはメッセージを送っておいてくれる。それに近い便利さをCortanaで体験できてしまいます。SMSを送信したい相手の名前とメッセージ内容を語るだけで、あとの送信作業はすべてCortana任せ。とりわけ運転中や両手がふさがっているときに大活躍なんだそうですね。
13. Who will win?
えっ、そんなことまでCortanaに決めさせてもいいの? これはさすがに驚きですが、次の野球やサッカーなどの対戦スケジュールを尋ねたら教えてくれるのはもちろんのこと、なななんとどちらが勝ちそうかまで、ズバリ大予想をお知らせ! これでサッカーくじtotoまで買えてしまったりして!?
14. Take a note
メモしといて。これも、きっと秘書が頼まれるトップクラスのタスクになるでしょう。そして、Cortanaでも、バッチリと対応してくれますよ。ノートを取るようにと頼めば、OneNoteアプリに保存される音声メモの録音が開始されるほか、音声認識した内容がテキストのメモでも残されるようです。英語の音声認識性能もまずまずと評判だそうですね。
15. Turn off Wi-Fi
Cortanaが先行するSiriやGoogle Nowに勝るとされるのは、スマートフォン本体の各種設定にまでアクセスできるところにあります。例えば、Wi-FiやBluetoothのオン・オフも、Cortanaに語りかけるだけで処理されていきますよ。
16. Show me a picture of …
あの有名人って、どんな顔だったかな? そんなふとした疑問も、Cortanaがイメージ検索して一発解決してくれます。会話中に、とある商品のことが話題になって、その写真を見せたいときも、Cortanaが引っぱり出してきてくれますよ。
17. What’s the status of British Airways flight 1386?
自分が搭乗予定の飛行機は遅れていないだろうか? 便名を告げるか、すでにスケジュールに登録されていれば、これから乗るフライトのステータスチェックと告げるだけで、その最新のステータスをCortanaが知らせてくれます。なかなかCortanaの守備範囲は広いですよね~。
18. Where am I?
最後にご紹介するのは、現在の居場所を尋ねるコマンドです。GPSから現在位置を割り出して、正確な住所にいたるまでマップと一緒に表示してくれますよ。なお、単に現在地周辺の地図が見たいときに便利なコマンドですが、できれば「ここはどこ?」だなんて、勝手にだれかに連れ去られて尋ねなければならないような場面でつぶやきたくはないですよね。たとえあなたが意識不明で見知らぬ場所へ連れてこられたとしても、Cortanaだけは決してあなたを見捨てず、どこまでもサポートし続けてくれるというわけです。ただし、あなたが運よくスマートフォンを取り上げられていなければの話ですけど……。
いかがでしたか? 思いのほか、Cortanaだけで行なえてしまうタスクの種類が豊富なことに驚いてしまった人も少なくないのでは? なにかの作業にかかりっきりな状態で、ネコの手も借りたいときに、Cortanaによるマルチタスクが威力を発揮しそうです。Windows 10では、スマートフォン環境のみならず、パソコンのデスクトップやタブレットでもCortanaが忙しく立ち働き、新たな世界を切り開いていってくれそうですよね。
あとはどこまで日本語環境でもCortanaが使えるようになるか? この課題をうまくクリアして、今夏から常駐アシスタントのCortanaにバリバリとサポートしてもらえるようになるのが待ち遠しいところです。ところで、日本語のCortanaは、やっぱり女性の声なのかな? Siriに萌え萌えな質問をして楽しんでいる人もいるようですが、Cortanaのお色気はどんなものになるのかな?
David Nield - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)