宇宙から災害復旧に役立つ情報を。
4月25日に発生したネパールの大地震。被害の全容は明らかになっていませんが、現在のところ6,700人を超える方が亡くなり、負傷者は11,000人に上ると見られています。この大災害の被害状況を欧州宇宙機関(ESA)とNASAが宇宙から観測しています。
トップ画像はESAのSentinel-1によるもので、4月17日と29日に撮影されたレーダー画像を組み合わせたものです。これはインターフェログラムと呼ばれる周波数の波の集まりで、25日に起きた大地震の前後でどれだけ地面の高さが変わったかというのを数インチレベルという高い精度で写し出しています。ESAによると、120m×100kmにもおよぶ範囲の地面の高さが上がったり下がったりしたのだそうです。
こちらの画像はNASAのSPoRT(Short-term Prediction Research and Transition:短期予測研究・遷移)プロジェクトが、カトマンズ周辺で放出されている光をとらえたものです。都市の可視光線の変化を夜通し観測することで、電力設備の故障によって停電しているエリアを把握することができ、復旧活動にも活用できます。画像の中でオレンジや赤のような暖色は光の放出が大きく減ったところ。カトマンズ郊外にそのようなエリアが多く見受けられます。
このような宇宙からの観測は、復旧活動をより効率的に行うためだけでなく、今回の地震の状況を科学者たちが理解し、将来の予測を立てるためにも役立てられるでしょう。被災地の一刻も早い復旧を願ってやみません。
Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]
(conejo)