深い愛情の対象は、必ずしも生物とは限りません。
先日、ソフトバンクから人型ロボット「Pepper」の一般発売が発表となりましたが、今から16年も前、1999年に登場したのが、あのソニーのロボットペット「AIBO」でした。
定価25万円という高級品にも関わらず、なんと20分で売り切れ。著名人もこぞって買い求め、のちにTVアニメ化もされるなど、まさに社会現象とも言えるAIBOフィーバーがそこにはありました。
多くのAIBOオーナーたちは、彼らをまるで我が子のように可愛がり、家族の一員として過ごしてきたのです。
しかし残念ながら、AIBOの修理対応は2014年3月をもって打ち切られました。それは皮肉にも、「死なないペット」であったはずのAIBOに「死」の訪れを告げるものでした。
ニューヨーク・タイムズが、とあるAIBOオーナーのドキュメンタリー映像を制作していました。彼らにとってAIBOは間違いなく家族、そして生活の中心であったことがよくわかります。ソニーによる修理対応は終わってしまいましたが、元社員の方などの活動により、非公式ながらも修理は続けられています。しかしその方法は、壊れてしまったAIBOの部品を付け替えるという、いわば「移植手術」であり、ドナーであるAIBOの個体数が限られている以上、いつか終わりが来ることも示しています。
ひとつの電化製品としては、16年という月日はとても長いものです。ソニーは十分にサポートしたと言えるのではないでしょうか。しかしオーナーたちにとって、AIBOはただの電化製品ではなかった。それ以上の、とても大切な存在だったのですね。
source: New York Times
Chris Mills - Gizmodo US[原文]
(渡邊徹則)