これは攻めたね。
ソニーは世界でも有数のカメラテクノロジーを持っています。その技術力は、アップルやニコンなど競合他社もセンサーを欲しがるほど。そのソニーが今まで見たことないようなハイスペックカメラ、次世代カメラを3モデルをアメリカで発表しました。ようこそ、A7R II、RX10 II、RX100 IV。
A7R II
パっと見た感じ、外観では前モデルと大差ないように見えます。が、それは見た目だけの話で、3,200ドル(約40万円)というハイプライスのA7R IIは、ローライトでの撮影と動画撮影においては他の追随を許さない最高ランクのカメラです。ソニー曰く、初のフルサイズ裏面照射センサーに、42.4メガピクセル、ISOは100から2万5600(拡張すると10万超え)のモンスターモデル。また、A7 IIでユーザーの度肝をぬいた5軸ブレ防止システムも搭載。
この新モデルでソニーが何より言いたいのは「暗いところでも心配すんな!」ということでしょう。暗所でもターゲットをがっちりキャッチ、シャープに捉えることができるのです。
フルフレームでの4K動画撮影も魅力の1つ。また、A7 IIのような、シャッターボタンやグリップの改良デザインにも注目。サイレント電子シャッターモードや、OLEDビューファインダー(0.78倍ズーム)も搭載。また、動画撮影に重宝しそうな仕様として、5インチ、1080pのモニター(価格未発表)をマウントすることもできるということ。
前モデルのA7S(2500ドル)の立場がない…。いや、でもA7SのISO最大値40万9600はまだまだトップクラスですね。ソニー、暗所撮影にはかなり力をいれています。
パナソニックやサムスン同様、ソニーもカメラでの4K動画の仲間入りを果たしたわけです。他社のものでこのラインにある人気のカメラは、4Kのために何かを犠牲にせざるを得ませんでした。例えば、パナソニックのGH4ならば、4K動画は美しいものの、その小さなセンサーのせいで暗所撮影は苦手。サムスンのNX1ならば、レンズのセレクションのなさやコーデックのサポートの不十分さが傷。ここに来て、ソニーが他社の弱みを克服できるのであれば、インディーズ映画業界がA7R IIに飛びついてくるのではないでしょうか。高品質4K、高画質、スチールフルフレーム…、ほらね、飛びつきそう。夏の発売が楽しみですね。
RX10 II・RX100 IV
RXモデルにも2機種新しい顔の登場です。RX10は23-200mm(8.3x)のf/2.8スーパーズーム。一方RX100はポケットカメラの色濃く、24-70mm(2.9x)のf/1.8-2.8。
ハイエンドモデルのコンパクト&スーパーズームカメラにも、ソニーの誇るセンサーとCMOSチップが搭載されており、パフォーマンスの速さがずば抜けています。ソニー曰く、画像データ取得スピードは5倍だとか。
下の画像は、RX10 II。RX100 IVは、実物を見るとこれよりももっともっと小さい。
RX100 IVでは、スーパースロー動画撮影(40倍)、16fpsでの撮影、1/3万2000秒という激速電子シャッタースピードが大きな魅力となっています。比較として、RX100 IIIのシャッタースピードはマックス1/2000秒だったので、とんでもないアップデートとなっています。この改良で、明るいところでの撮影もよりコントロール可能になりますね。ポップアップで現れる電子ビューファインダーも重宝しそう。RX10、RX100ともにNDフィルターが内蔵されています。
何よりの目玉はスローモーション撮影。かなり気合いいれて作られています。スロモ撮影は240fps、480fps、960fpsの3モードで、順に10倍、20倍、40倍の映像が仕上がります。各モードで、画質か撮影時間のどちらかを優先してオプション選択することが可能。例えば、画質優先ならば2秒の高画質、時間優先ならばちょっと画質は落ちるけど4秒という具合ですね。
以下、各モードのオプション。参考までに、960fpsで2秒撮影だと、スロモ動画で約1.5分の映像に。
・240fps:画質優先1824 x 1026、時間優先1676 x 566
・480fps:画質優先1676 x 566、時間優先1136 x 384
・960fps:画質優先1136 x 384、時間優先800 x 270
スロモ撮影の方法にも熱がはいっています。録画ボタンを押すときにスロモモードに入るパターンと、録画ボタンを「撮影停止ボタン」として設定しておくパターン。後者は、バッファ録画しておき録画ボタンを押すとその2秒/4秒前がスロモとしてキャプチャされるというもの。撮りたい瞬間は一瞬で過ぎてしまうので、これは素晴らしい機能ですね。魔法みたい!
価格は、RX100 IVが1000ドル(約12万円)で、RX10 IIは1300ドル(約16万円)。RX100モデルは、1000ドル以下で購入できるコンデジでは最高機種。4Kにスローモーション撮影という魅力があるとはいえ、1000ドルはなかなかの価格です。最大のライバルとなるのは、パナソニックのLX100かな。
今回、アメリカで発表された新機種はどれも7月発売予定。日本での発表、価格はまだわかりません。発表でのスペックを見る限り文句のつけようがない仕様になっています。とは言え、1000ドル、3200ドルという価格もかなりのものなので、そこはユーザー自身が天秤にかけてみるしかないですね。
source: Sony
Sean Hollister, Michael Hession, Mario Aguilar - Gizmodo US[原文]
(そうこ)