東京大学と東京エレクトロンデバイスがスクリーンの概念を変えるかも

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東京大学と東京エレクトロンデバイスがスクリーンの概念を変えるかも

東京大学の石川渡辺研究室の研究者たちと、東京エレクトロンデバイスが高速プロジェクターを共同開発しました。

その名もDynaFlash。これまでのプロジェクターでは、素早く動く物に投射すると映像が大きくずれてしまっていましたが、このDynaFlashはどんなに速く複雑に動く物体でも追いかけ、完璧なプロジェクションマッピングを実現することができるそうです。

1秒に1,000枚のフレームを投影する高速プロジェクターと、同じ速度でスクリーンの動きを認識するカメラを合わせることで、スクリーンがどんなに動いていても追いかけ続けることができ、投影するイメージをスクリーンの位置や角度に合わせて自動的に修正することを可能にしました。そのため、連続で投影しているところを見ると、スクリーン表面に完璧にフィットした映像が映し出されているように見えるのです。

150806dynaflash01.jpg

これだけ高性能な最新技術てんこもりのプロジェクターを高速で作動させようとなると、研究者たちは既存のプロジェクション技術をこの全く新しいプロジェクターに応用する際に小型化する必要がありました。

さらに従来のプロジェクターと大きく違うところがまだあります。これまでのプロジェクターにはよく、アメリカのTexas Instruments社のDLPチップという光半導体が使われているのですが、これには何千個もの極小のミラーが付いていて、それぞれが高速で動くことによって赤、緑、青の光をスクリーンに反射させるというものです。小さいミラーの動きが合わさることによってひとつの映像がフルカラーでスクリーンに投影されるという仕組み。主に色を表現するために使われる物なのですが、今回開発された最新プロジェクターでは、このDLPチップがイメージの動きと歪みを実現させるために応用されたそうです。

超高速で動くことができるようになったプロジェクターDynaFlash、動きは速いですが色調は8ビットグレースケール(256階調の白黒)でしか映りません。解像度は1024×768です。現段階ではこれだけですが、きっとこれからこの技術にはさらなる改善が施されるでしょうから、解像度や色調に関しても飛躍的にスペックを伸ばしていくのではないでしょうか。

この高速プロジェクターのおかげで、スマートフォンをポケットに入れたまま、手のひらや腕などをスクリーンにしてディスプレイが可能になる未来が近いうちに来るかもしれませんよ。あのグーグルグラスもイメージを映すには目の前にメガネのレンズを固定していないといけませんが、将来的には身の回りにある物をスクリーンとして映像を映せるようになるでしょう。例えば壁を見ても、通勤中の揺れるバスの床だって、未来には立派なスクリーンになっているかも。

source: YouTube via Nikkei Technology

Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文

(SHIORI)