接着テープを自在な長さのパイプに。
たとえば新しいソファを買う前、それが本当にリビングの大きさに合うかどうか検証すべく、メジャーを持って格闘したりしますよね。でも寸法で測るだけだと、物理的に置けるかどうかはわかっても、そのソファを置いたときの存在感の大きさとか、TVとのバランスとか、微妙な感じがつかめなかったりします。でもこの「ProtoPiper」を使えば、そんなサイズ感のわかるフルスケールのモックアップが数分でできてしまいます。
Hasso-Plattner-Institutのヒューマン・コンピューター・インタラクション研究所のチームが作ったProtoPiperは、テスト用のモックアップを作れるという意味では3Dプリンターと似ています。3Dプリンターと違って細かいことはできないのですが、その分、作業には何時間もかからず、数分程度で終わります。

ProtoPiperは、3Dモデリングソフトで見るようなワイヤフレームモデルを作るために設計されています。ただもちろん、コンピューターの画面よりずっと大きなものが作れます。ProtoPiperではプラスチックを溶かしたものを積み重ねるのではなく、接着テープのロールを元にプラスチックの軽いパイプを作り、原寸大のモックアップにしていきます。
ProtoPiperではカスタムソフトウェアを使ってロールからテープを自動的に引き出し、それを丈夫なパイプに変えて、適切な長さに切断します。さらには、作ったパイプ同士を簡単につなげて大きなものを作れるよう、小さな「羽根」まで付けてくれます。つまりオンデマンドのレゴみたいなものなんです。

これで、欲しいソファが実際リビングの本棚とランプの間に収まるかのかが、ものの数分で判定できます。ただしProtoPiperで作れるのはあくまでモックアップなので、そのままソファにしようとしても人間の重さには耐えられません。

でもProtoPiperで作れるのは、ソファとかテーブルみたいな家具だけじゃないんです。開発チームでは、折りたたみ傘のモックアップまで作っています。この傘では雨はしのげませんが、デザイナーが新作傘の形や寸法を検討する段階で便利に使えるはずです。DIY好きや発明家がアイデアを形にするプロセスを、より簡単に、より高速にしてくれそうです。

Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文]
(miho)