なんてスピード対応。
先日ローンチしたTorrentベースのP2P無料音楽ストリーミングサービス、Aurous。メディアで紹介されたのもつかの間、たった数時間後に全米レコード協会(RIAA)がサイト停止を求める訴訟をアナウンスしました。
このAurous、ひとことでいうとPopcorn Timeの音楽版です。Popcorn Timeと同じように、BitTorrentネットワーク上にある無数のコンテンツを人気順に並び替えて、ユーザーがアクセスしやすい環境を提供します。
著作権的にグレーなコンテンツをストリーミングしているのは疑うまでもありませんが、Popcorn Timeのほうは違法コンテンツをサーバーに蓄積していないことを証明することで、訴訟をなんとか免れようとしています。
ところが、AurousはBitTorrentネットワーク以外にもロシアの人気ソーシャルネットワークのMP3WithMeやVKのようなサイトにも接続させています。RIAAによると、こういったサイトでは著作権で保護されるべきコンテンツが無料で配布されているので、このサービスの違いを知ってか知らずか、RIAAに目に付けられてしまったようです。
The Guardianの記事でRIAAのスポークスマンが言うには、
このサービスは大規模な著作権侵害を悪用したビジネスモデルの典型です。LimewireやGrooveshark、Groksterと同じで、ライスンス許諾もとっていなければ、合法でもありません。私たちはそのような音楽制作者の利益を損ねるサービスを許しません。
Aurousは今のところ完全に無料だし広告も一切表示されませんので、全米レコード協会がビジネスモデルなんて言葉を使うのはなんだか妙な感じがしますが。
For anyone curious the @RIAA principle complaint is that we're "profiting", anyone see any ads? We sure don't.
— Aurous (@aurousapp) 2015, 10月 13
僕たちが「営利企業」だっていうRIAAの抗議に興味を持った人へ。広告が出るのを見た人いる? いるわけないね。
訴訟に負ければ、創業者のAndrew Sampsonさんは大金を失うことになりますが、反抗的にツイートしてます。
Getting sued for 3 million when I haven't made anything; thats how you know your idea was a good one.
— Andrew Sampson (@Andrewmd5) 2015, 10月 13
まだ何も得てないっていうのに、300万ドルの訴訟くらっちまったぜ。それってつまり、このアイデアは当たりってこと。
訴訟の前にSampsonさんは、Aurousのコンセプトについて公にしていました。Aurousはインターネット上にすでに存在しているプレイリストを再生する音楽プレイヤーなんだと。つまり広告ベースのYouTubeや課金ベースのSpotifyのプレイリストのアグリゲータにだってなりえます。
Sampsonさんは、Billboard誌でこのように話しています。
これが音楽プレイヤーじゃなかったら何が音楽プレイヤーだっていうんだ。ユーザーはすでに所有しているコンテンツを再生しているだけ。そのために僕たちはコンテンツAPIのライセンスをとってるんだから。
このAurous、確かにすごく便利そうですが、これからRIAAとその弁護士軍団とのリングに上がらなくてはいけません。米国時間の28日に、Aurousがこのままサービスを継続できるかどうか、連邦裁判所の判断が下る予定です。
source: Torrent Freak、The Guardian、Billboard
Adam Clark Estes - Gizmodo 20KHZ[原文]
(TOMOYOSHI)