サイバー攻撃に国境はないので、人ごとではないかもしれません。
10月27日(現地時間)、米国でサイバーセキュリティー法案(Cybersecurity Information Sharing Act(CISA))が、米国上院で可決されました。これにより、米国政府はサイバー攻撃などの証拠になる企業データ(ユーザーの登録データなどをふくむ)にアクセスしたり、異変がないかチェックできるようになります。
賛成派は、昨年のソニー・ピクチャーズのハッキング事件を引き合いに出しつつ、国民の安全を迅速かつ確実に守るためには、この法案が必要だと主張しました。米国では、今年に入ってからも大規模なハッキング事件が何度も起きています。そのことが、賛成74:反対21という圧倒的多数で法案が可決した背景にあると思われます。
しかし、この法案はアップルやグーグル、ツイッターやマイクロソフトといったハイテク企業が軒並み反対していました。ハイテク業界での賛否を一覧したページがこちらにあります。特にソーシャルメディアを運営する企業の多くが反対側に回っていますね。
反対派は、「この法案はハッキングの脅威から国民を守るという建前のもとに、プライバシーを侵害しかねない」としています。NSA(アメリカ国家安全保障局)や国土安全保障省といった国の機関が、各企業の許可なくユーザーの個人情報を入手できてしまうからです。さらに、それがプライバシーの侵害に当たるとしても、ユーザーが企業を訴えることはできません。
エドワード・スノーデンは、「サイバーセキュリティ法案に賛成することは、インターネットへの宣戦布告」とツイッターでコメントしていました。
We'll name the names of people who voted in favor afterwards. A vote for #CISA is a vote against the internet. https://t.co/IctF0UYSO6
— Edward Snowden (@Snowden) 2015, 10月 27
ホワイトハウスは、いくつかの修正点を指摘しつつも、この法案を支持する姿勢を見せています。
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source: Reuters,The Guardian, Washington Post
(高橋ミレイ)