この2014年ハリウッド版ゴジラのゴールデンゲートブリッジ破壊シーンは、専門家に言わせると全然ダメらしいですよ? 空爆でケーブル千切れても道がびくとも揺れなくて、兵士が足を踏ん張ってバス走ってますからね。
以下の「パシフィック・リム」冒頭の怪獣による破壊シーンも、なぜか倒壊するのはゴールデンゲートブリッジの真ん中だけ。両端は元のかたちのまんま残ってます。
「アイ・アム・レジェンド」のブルックリンブリッジも真ん中ボッコン。「ダークナイト ライジング」の吊り橋も真ん中ボッコン。
「X-MEN: ファイナル ディシジョン」に至っては、マグニートーがゴールデンゲートブリッジを念力で引っこ抜いてアルカトラズ島にあ~らよっと~。2本の支柱がなくなっても吊り橋が…
落ちません! マイガッ…(なんで落ちないんだ)!って司令官も言葉を失ってますよ!(ちなみにアルカトラス島にゴールデンゲートブリッジを架けるには、現実には橋の根本で引っこ抜かないと長さは微妙に足りない。橋は全長2.7km、アルカトラズ島は沖合2.4km)
…てな感じで、ニューヨーク市の構造エンジニアのAlex WeinbergさんがHackadayに映画の吊り橋破壊シーンのワースト5をまとめてました。氏が言うには、吊り橋の構造は割と単純なんだそうです。
まず支柱を2本(かそれ以上)立てて、ぶっといケーブルを陸から通して支柱に乗せる。ケーブルは放射線を描いて垂れ下がり、そこに縦に細いケーブルを括りつけて道を吊る。両端の陸にはアンカーレイジがあって、2本のメインケーブルをしっかりと繋ぎとめている。
道を車で渡るときには、車の重みが縦の釣りケーブルにかかって、張力が生まれ、それがメインケーブルに伝わってそこにも張力がかかる。支柱がそれを支え、両端の陸の巨大なアンカーレイジで張力は解消される。
ところが映画では物理原則後回しだというんですねーはい。みんなその辺は了解済みで娯楽フィクションとして楽しんでると思いますけどね。
Weinbergさんが選ぶワースト中のワーストは「ダークナイト・ライジング」。ワーストでも比較的まあまあ理論的に合ってるのは、以下のB級パニック映画「ファイナル・デッドブリッジ/Final Destination V」なのだとか。
現実の吊り橋倒壊を見たい方は、こちらをどうぞ。1940年タコマナローズ橋崩壊。教科書にも載ってる貴重な落橋事例とのことです。
source: Hackaday via Boing Boing
Jennifer Ouellette - Gizmodo US[原文]
(satomi)