データ捏造からセクハラまで、2015年は科学者の不祥事が大量発生した年でもあります。ワースト中のワーストを集めてみました。
1. 同性婚研究で院生がデータ捏造

UCバークレー、スタンフォード、イエール大学が結果を再現しようしたのだけどできなくて、それで疑惑が浮上しました。(Image credit: Davidlud/CC)
2. アメリカ心理学会が米政府と結託して拷問支持

9.11後のテロ対策で拷問が社会問題になったとき、アメリカ心理学会(APA)がブッシュ政権に陰でこっそり協力していたことが、内部の反乱分子からのリークで明らかになりました。「CIA、ホワイトハウス、国防省と極秘で足並みを揃えてAPAの尋問に関する倫理規範を作成し、CIA拷問プログラムを容認する極秘の法的指針に抵触しない内容にした疑い」とNYタイムズは報じました。学会側は完全否定。
3. アイオワ州立大助教授が論文捏造で懲役57カ月

4. 「女子は恋して泣く」発言でノーベル賞受賞者が名誉教授辞任
ソウルの科学記者昼食会で、ノーベル生理学・医学賞受賞歴のあるティム・ハント博士が「研究室に女子がいると3つのことが起こる。①好きになってしまう、②好きになられてしまう、③批判すると泣かれる」、「ラボは女人禁制にしないとね」と発言、ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン名誉教授を辞任になった事件。
女性陣からはこんなツイートも飛んできて、#distractinglysexyがバズったりしました。
I did an entire Liver Transplant without crying or falling in love. #distractinglysexypic.twitter.com/6RdApuzFo9
— Want2opr8 (@drtanthony) June 12, 2015
ラボは共学だと気が散るという意見をブラックユーモアを交えて話したつもりが失言になってしまったようです。博士は、沖縄科学技術大学院研究担当ディーンに5年間の予定で着任した免疫学者の夫人とともに日本にお引越し予定。
5. スター天文学者ジェフ・マーシー教授が連続セクハラサーだった件

6. コカ・コーラが自前の科学で世論誘導

肥満予防には食事ではなく運動が一番だ、と言ってる肥満研究所「グローバル・エナジー・バランス・ネットワーク」が、実はコカ・コーラからお金もらって、砂糖水の害から世論を遠ざける研究を発信するメガホンだったことが判明。タバコ業界と同じパターンや!と専門家に非難されました。研究所は出資停止とともに、あえなく解散。 (Image credit: Coca Cola Foundation)
7. そしてみんな辞めた。メディカル・ジャーナル・オブ・オーストラリア編集部の抗議辞任騒動

8. 機械学習初のカンニング事件

9. 著名研究員が著名医学誌で論文捏造

論文撤回ウォッチャーのAdam Marcusさんは「世界を代表する医学誌2つから取り下げになったんだから、もっと騒がれてもいい不祥事だ」と言ってますよ。「ニューイングランド医学ジャーナル(NEJM)とJAMAに論文が掲載されるのはハーバードやプリンストンを卒業するようなもので、経歴に箔がつくんだよね。[...]今回は両方から問題の論文を取り下げたほか、少なくとも6本撤回し、ベーカーIDI心臓・糖尿病研究所の職も失った」
10. 新種のヒトのオール女子発掘隊はPRスタント?

11. 大手出版社が論文43本を撤回
査読ベースの学会ジャーナル270誌を出版する英BioMedセントラルが、査読捏造で論文43本の掲載を取り下げた不祥事。
一部の撤回論文を見ると、その大半は中国国内の大学の研究者が書いた論文だ。しかしBioMedセントラルの研究の信ぴょう性確保を担当するJigisha Patel副編集長は「これは中国の問題ではない。中国の研究にはしっかりしたものも沢山ある。研究者判定をめぐるもっと幅広い問題と捉えている」と語る。学術出版の指針を発表している出版倫理委員会(編集者9,000名以上が所属)が出した声明でも「複数出版社の一部のジャーナルの査読を不正に操作する試みが組織的に行なわれていることがわかった」とあり、問題が蔓延していることが伺える。(ワシントン・ポストより)
12. ひとりで論文32本を撤回した会計学教授

top image: CBS
George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
(satomi)