Xperiaシリーズの大きな魅力は美しいディスプレイ。特に「Xperia Z5 Premium」に搭載された4K※ディスプレイは、これまでの写真・動画視聴体験を一つ上の次元に進めるほどのインパクトがあります。
さらに、その美しいディスプレイを安心して使う防水機能もXperiaシリーズにはあります。うっかり水没させてしまったときの安心感は言うまでもなく、急な雨や、水に濡れやすいキッチン、お風呂での暇つぶしなど、防水機能が役立つシーンは日常のあちこちに転がっています。
ところで、Xperia Zシリーズは初代である「Z」から最新モデルである「Z5」にいたるまですべて防水を実現していますが、代が進むごとに着実に進化していることをご存知でしょうか。それもこのディスプレイだからこそ防水が活きてくるのです。防水なんだからどれも同じ、ではなく、ディスプレイで活きる防水とは?Xperia Z5におけるディスプレイの進化について、デバイスデザイン部の尾崎さんにお話を伺いました。
※水平3,840画素×垂直2,160画素(SID規格に基づく)「指」と「水」と「水のついた指」を見分けられるようになったXperia Z5
ギズモード編集部(以下ギズ):Xperiaといえば強力な防水機能も魅力のひとつです。一度使うと非防水のスマートフォンに戻れなくなるほど快適ですが、今回の「Z5」では防水がさらに進化したと伺いました。といっても、今までの防水が不完全だったわけではないですし、いったいどこが進化したのでしょうか。


Xperiaの美しい画面の秘密は「ブラビア®」の技術にあり
ギズ:時代と共に使い方も変わってくるということでしょうか。ところでタッチパネルといえば、ディスプレイそのものについてもぜひお話を聞かせてください。今回、「Z5」になって、さらに写真や動画が美しく表示できるようになったとのことですが…。尾崎さん:はい。Xperiaではこれまでも「ブライト&ビビッド」をキーワードにしているのですが、今回の「Z5」では色のチューニングを変更して、より明るく鮮やかに色が表示できるようになっています。ギズ:チューニングというと、具体的には?尾崎さん:色を拡張する際、これまでは「この色はこんなふうに強調する」というパラメータが限定されていました。たとえば南の島に行って撮った「エメラルドグリーンの海」の色などは再現が難しかったのです。それが「Z5」では処理能力の向上などによって、色ごとにより細かく強調のパラメータを設定できるようになりました。これはソニーのTV「ブラビア®」の技術を使っています。
実は難しい「明るさ」と「鮮やかさ」の両立
ギズ:素朴な疑問ですが、ブライト&ビビッド、つまり明るさと鮮やかさを両立するのは難しいことなのですか?尾崎さん:実はそうなのです。色を鮮やかにするためには、光を色の濃いカラーフィルターに通してやる必要があるんですね。ところが、色が濃いということは、それだけ光を通しにくいということにもなるので、明るさは失われてしまいます。ここはパネル設計の段階からパネルメーカーさんとしっかり設計思想を合わせることで実現できたところですね。ギズ:なるほど。ディスプレイは本当に、とても綺麗になりましたよね。尾崎さん:ディスプレイの美しさについてはほかにも理由があって、従来はタッチパネルにガラスではなくフィルムが使われていたのです。そのため画面が少し黄色がかってしまうことがあったのですが、今はガラスが主流ですから、ディスプレイの特性をそのまま生かせるようになりました。ガラス自体も薄くなっていて、ディスプレイとの距離を感じないと思います。
構想3年、いくつもの課題を解決して実現できた最高の「4K」ディスプレイ
ギズ:「Xperia Z5 Premium」についても聞かせてください。4Kディスプレイが話題ですね。尾崎さん:構想自体は2~3年前からあったのですが、どう見せるかという部分と、4Kという大きなデータをどう処理するかが課題でした。今回、やっと納得のいくものができたので発売することができました。ギズ:見え方というと?尾崎さん:ディスプレイはLEDのバックライトを照らして表示するのですが、4Kディスプレイは画素数が多いため、一つひとつの「画素」のサイズが小さくなり、光が通りにくいのです。明るくするだけならバックライトを単に強く光らせるという手もありますが、今度はバッテリーが消耗しますし、LEDの耐久性の問題も出てきます。そこで、一定の光量をいかにすべて通すかということに注力して、バッテリー駆動時間はそのままに4Kディスプレイを実現することができました。

日常で使うものだからこそ、Xperiaを選ぶ
ディスプレイの美しさと強力な防水機能に関しては以前から定評のあったXperia Zシリーズですが、「Z5」ではさらに驚異的ともいえる進化を遂げています。特に「水のついた指」を検知する精度が上がったことで、「水没しても壊れないスマホ」から「水のある環境でも安定して使えるスマホ」へと使い勝手が向上。写真や映像をできるだけ綺麗に見たいというニーズと合わせて、現代人のライフスタイルによりマッチしたスマートフォンが誕生しました。
今や日常生活の一部になったスマートフォンだからこそ、少しのストレスも感じずに使いたいところ。それが「Xperia Z5」の目指す方向性なのです。
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source: ソニーモバイル
(山田井ユウキ)