ネットでもたびたび話題になるこのような「飛行犬」写真。
犬が本来持っている躍動感と真剣な表情が、なんとも言えずキュートですよね。特に、「小型飛行犬」は、普段の愛らしい姿とのギャップに萌えます。そんな「飛行犬」や、迫力ある「猫パンチ」写真の撮影テクニックを、動物写真のプロフェッショナルが伝授してくれました。
「飛行犬=連写×低視点」。カメラの性能が試されるシチュエーション


「走っている犬を連写で撮影し、足が地面から離れているシーンを押さえられれば、それが飛行犬になります。大切なのは、全速力で走る被写体をとらえるフォーカスの精度と構図の狙い方です」
なるほど。ということは、連写性能とフォーカスの精度に優れたカメラを使わなくては! 動物写真では、素速く動き回る被写体を狙うため、求められる基本性能は高め。今回は、最高約11コマ/秒で連写できるソニーの一眼カメラ「α6000」を使って撮影に挑みました。
■飛行犬撮影のコツ その1:望遠レンズで遠くから狙う全力で走る犬をカメラで追う場合、標準ズームレンズだと画角が広く、犬にかなり近づかなくてはなりません。走る犬を追うために、大きくカメラを振る必要が出てくるので撮影難度が上がり、写真もブレやすくなります。
おすすめは望遠ズームレンズ。犬から離れ、望遠レンズで遠目から狙うことで、カメラを振る範囲は最小限になります。
動き続ける被写体は、コンティニュアスAFモードで狙うのが基本ですが、α6000には、より使いやすい「追従フォーカス」機能があります。犬の動きに合わせてカメラを動かすだけで、自動的にピントを合わせ続けてくれるので、飛行犬写真には最適!
さらに、画面中央付近だけでなく、視野角全域にAF可能な「ワイドAFカバレッジ」で、一瞬の動きも的確に追従してくれます。
「連写してもピントが合いますね。これなら、ピントは気にせずともその姿を追うことに集中すれば、いいものが撮れそうです」(的場さん)。
今回使用した望遠レンズ「FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS(SEL24240)」や「E 18-200mm F3.5-6.3 OSS LE(SEL18200LE)」のように、レンズ内に手ブレ補正機能を組み込んでいるものを使えば、望遠時にもさらに安定したクオリティで撮影を行うことが可能です。
■飛行犬撮影のコツ その2:地面スレスレの低い視点から撮影する
犬が宙に舞っているように見せるためには、犬と地面の間の空間を広く見せることが重要です。そのためには、カメラの位置をできるだけ下げ、地面に寝転がるようにカメラを構えましょう。

望遠レンズは背景がボケやすいので、絞りはあまり絞りすぎず、ボケを活かすことで、疾走感が出てきます。

また、α6000の液晶モニターはチルト可動式なので、しゃがんでカメラを地面スレスレに構え、モニターを上に向ければ低いアングルがつくれます。
※自治体によって、公共の場所で犬をはなすのを禁じている場所があります。ルールをよく確認して撮影を行いましょう。ニャンコの愛らしい表情の秘密は「暗がり」にあった!


次にご紹介するのは猫パンチの撮影方法。教えていただくのは夫婦で「ペトグラファー」として活動されている、湯沢祐介さん・小川晃代さんです。
「いきもの」撮影を得意とし、「猫じゃらの魔術師」の異名を持つ湯沢さんとさまざまな動物資格を保持する小川さんの最強コンビで月に500匹以上のペット撮影を手掛けているお二人。写真撮影の他、ペット雑誌の編集長や動物番組のディレクターとしても活躍しています。
今回はα6000で、猫がじゃれるときなどに前足を繰り出す、いわゆる「猫パンチ」を狙います!
■愛らしい猫パンチ撮影のコツ その1:キュートな瞳は暗がりにあり!一瞬の猫パンチをとらえるのも大切ですが、その前に「猫の表情」に注目してほしい、と話すお二人。かわいい表情を撮るためには、少し暗いところにいるネコを狙うのがよいそうです。
理由は瞳の瞳孔。暗いと瞳孔が開くので、目が大きく見え、愛嬌のある表情が撮影しやすくなります。

その差は比べてみると一目瞭然! 右側は体感的には少し暗めの場所で撮っていますが、α6000は最高感度がISO25600と高く、ISO2000で撮影してもノイズ感は皆無! 解像感を維持したままノイズを大幅に低減する「エリア分割ノイズリダクション」もかなり効果を発揮しているようです。
部屋全体を暗くすると光量が足りなくなるので、部屋のなかでも暗めな物陰を狙ってみましょう。
■愛らしい猫パンチ撮影のコツ その2:軽いカメラでネコと遊びながら連写!「猫パンチ」を撮影するためには、猫じゃらしなどで猫と遊びながら、片手でカメラをホールドしながら撮影しなければなりません。そんなとき、α6000のように本体重量が350gを切る軽量ボディはかなり使いやすいもの。感度を高めに設定し、手ブレ補正機能付きのレンズで連写すると、ブレもなく安定した画質で表情を追うことができます。

さらに豊かな表情を収めたいときには、目のなかにキャッチライトを入れるという方法も。強い照明をあてると猫が嫌がってしまうので、窓の明かりなどがうまく入るように、自分の立ち位置を調整してみましょう。
カメラの進化で撮りやすくなった動物たちの“意外な表情”
少しのコツとテクニックで、これまで目にしたことのなかった、動物たちの新たな魅力・かわいさを写し取ることができるようになりました。

ソニーのサイトで展開されている月刊コンテンツ「大人のソニー」では、今回紹介した「飛行犬」「猫パンチ」以外にも、フクロウの意外な表情を撮影する方法も紹介されています。こちらも必見ですよ!
また、東京・銀座ソニービルソニーショールームやソニーストア名古屋、ソニーストア大阪では、「α6000」をはじめとするソニーのデジタルカメラを体験できるので気になったひとはぜひ訪れてみては?
source: 大人のソニー
撮影協力: 飛行犬撮影所東日本本部、猫カフェきゃりこ新宿店、フクロウカフェもふもふ
(有賀久智)