なんといっても光学で約2,000mm、光学と電子ズームを併用すれば約8,000mm相当のズーム力(35mm判換算の撮影画角)ですから!!
デジカメのスペックを語る際に、いくつかキーとなるポイントがあります。例えばセンサーサイズ。大きければ大きいほど夜間撮影時もノイズが少なく、ボケも大きい。例えばレンズの明るさ。これまたボケの大きさと直結する項目です。そしてレンズの焦点距離とズームです。焦点距離は数値が少ないほど広角で、ワイドな空間を撮影することができます。またズーム機能を搭載したモデルは光学○○倍といった項目で、そのズーム力を誇らしげにアピールしてきます。
でもですよ? 何倍と書かれても、ちょっとイメージわきませんよね?
一体型デジカメで最強のズーム力を誇るCOOLPIX P900

たとえばニコンの「COOLPIX P900」もそうです。レンズの焦点距離は24mm〜2,000mm相当の光学83倍ズーム。はちじゅうさんばいでにせんみりめーとる。うん、よくわかりません。2,000mmのレンズなんて使ったことありませんし!
しかも「COOLPIX P900」ったら、光学と電子ズームと合わせたら332倍、約8,000mmの焦点距離での撮影が可能になるというじゃないですか。ますますわかりません。
COOLPIX P900を使って視力検査をしてみよう!
「COOLPIX P900」を使えば、どれだけ遠くのものが見えるのでしょうか。視力8.0とも10.0ともいわれているマサイ族に勝てるのでしょうか。
ワクワクしてきた編集部のP900視力プロジェクトチーム。さっそく多摩川の河川敷に「COOLPIX P900」を持っていって、実験することにしてみました。
まずは裸眼でテスト。ギズ編集部員の視力は0.04、オンメガネな矯正視力で試したところ0.8までわかりました。

ここから、「COOLPIX P900」のライブビューを見ながらバックオーライで後ろに下がっていきます。
指示棒が示しているランドルト環は2.0。メガネかけてたって見えないですこんなの…。
でも「COOLPIX P900」があれば! 3インチのバリアングルモニターを見ながらギリギリ、ほんとに見えるか見えないがギリギリのところまで下がってみました。
この距離を…。
距離計測ができるアプリを使ってみたところ、視力検査表と「COOLPIX P900」の距離はなんと約26m! 使用した視力検査表は3m用なので、8.666…倍離れたところから2.0のランドルト環が見えたのだから視力でいうと……
…え? いくつ?
……。やっぱり、目のことは眼科に相談しないとね! というわけで、正真正銘の眼科医「つじもと眼科クリニック」の院長先生に聞いてみました。

「約26m先にある視力表(3m用)の2.0のランドルト環が見えたら、視力は…17.3になるんですよ」
へぇ〜…。視力17.3!?人類最高峰の目を超えた! 歴史的瞬間に立ち会えました! てか、8,000mm相当という画角が凄まじ過ぎる!

この基準となるランドルト環の半分の大きさ(直径3.636…mm、円弧の太さと切れ目の幅が0.727…mm)が5m離れたところから見えれば視力2.0。また、基準となるランドルト環が10m離れたところから見えても視力2.0ということになります。
COOLPIX P900ならどれくらい離れた位置にいる鳥が撮れるのか

超々望遠レンズといえば、鳥の撮影を楽しむ方にとってあこがれの存在です。実際に「COOLPIX P900」は野鳥撮影愛好家に愛されていると聞きました。
そこでコゲラやツバメの大きさをイメージして、直径15cmのランドルト環を用意しました。さあ、この大きさであれば、どこまで離れられるのでしょうか。

って、遠い! 肉眼じゃランドルト環がまったく見えません!
でも大丈夫!

「COOLPIX P900」には「鳥モード」(800mm域に自動ズーム)という機能があり、被写体を中心部に納めておけばズーミングしやすいんです。
ちなみに、超望遠ズーム使用時は被写体がファインダーから外れてしまっても瞬時に広角側にまでズームを戻すクイックバックズームボタンを使うことで、着実に被写体を捉えることができます。
デジタルズーム全開の8,000mm域ゆえに塗り絵感が出てしまっている画像ですが、コンパクトデジタルカメラというカテゴリのプロダクツでこの距離の被写体を捉えることができるんですよ!
動画で見るとこんな感じ。ランドルト環と「COOLPIX P900」の距離はグーグルマップで調べたところ700mくらい。ゴルゴ13の世界といってもいいでしょう。
まだまだ! さらに巨大なランドルト環を狙ってみよう
冬場とはいえ雲1つない好天気の日。ゆえに、700mも遠くの被写体を撮影すると空気の揺らぎも捉えちゃうんです「COOLPIX P900」ってば。
彼の本気を出してもらうためには、高い位置から同様に高い位置を狙って撮影するのがよさそう。そこでギズモード編集部のオフィスに巨大なランドルト環を作り、他の高層ビルからシュートしてみることに。
やってきたのは西新宿の高層ビル街。ギズモード編集部のオフィスがあるビルから約3.43kmの距離にあります。
ここから会社の人間大のランドルト環が見えるのかというと…。

動画でご覧のとおり、ギズモード編集部のビルは上の写真で矢印を付けたあたりにあるのですが、人間大のランドルト環とはいえ、見事に視認できません。…が!

しかし! 光学×電子ズームで8,000mm級「COOLPIX P900」で撮影するとこのとおり! 3.43km先にあっても捉えられるのです!
他のデジカメでは絶対に追いつけないこの視力。「COOLPIX P900」が売れているというのもわかります。納得です。手ブレ補正の効きも抜群
遠くのものを撮るときにもし三脚がなかったら……頼りになるのは手ブレ補正ですよね? 「COOLPIX P900」には「デュアル検知光学VR」により補正効果抜群の手ブレ補正機能が搭載されています。
その実力はいかなるものか? カメラを2台設置できる特殊な雲台に「COOLPIX P900」を2台載せて、手ブレ補正オフとオンで動画を撮り比べてみました。
左がオフ、右がオン。その差は歴然ですね。光学83倍ズームでも安定しています。
といった感じで、今回の実験結果にはプロジェクトメンバー全員が大満足。帰り道に空を見上げたらお月さまも綺麗でした。
…おっと、忘れていた。「COOLPIX P900」には、2,000mm域相当までズーミングしてくれる「月モード」もあるんでした。色味を変えることもできるので、ブルームーンだってばっちり作り込めます。

いやぁ綺麗ですね。もし、月にランドルト環があったとしたら、「COOLPIX P900」ならどのくらいの大きさまで見られるのかな?
ちょっと計算を…。日本では5m離れたところから直径7.5mmのランドルト環が見えれば視力1.0とされています。で、「COOLPIX P900」の視力は17.3でした。すると、5m離れたところから直径0.434mmのランドルト環が見えるはずです。
月までの距離は384,400,000m。ゆえに5mの76,880,000倍です。0.434mmの76,880,000倍は33,366mになります。つまり、直径約33km以上のランドルト環だったら「COOLPIX P900」を使えば地球から見えることに!

月の直径が3,474kmであることを考えると、このくらいのバランス?
直径約33km以上ならクッキリ見えるってことは、直径230kmのクラビウスや直径約90kmのコペルニクスなどのクレーターはもちろん、月の海「雨の海」や「晴れの海」などなど、月の名所が、まさに目の前に広がっているような写真が撮れますね。
人間の視力の限界をはるかに超えた世界が捉えられる、あなたの視界を大きく拡張してくれる「COOLPIX P900」。新しい写真の面白さを教えてくれる最高の相棒です。
source: ニコンイメージングジャパン
(武者良太)