Raspberry Piがパワーアップ!
だれでも手軽にプログラミングの世界へと足を踏み入れることができるよう…、そんな思いで、わずか数十ドルの自由にカスタマイズできるシングルボードコンピューター「Raspberry Pi」が発売されてから、先月末で4年が経過しました。
この期間に発売されたRaspberry Piは、実に800万台を突破。Raspberry Pi Foundationは英国に拠点を置いていますから、英国製のコンピューターとしては、これほどの売れ行きを見せたものはかつてないと発表されています。Raspberry Piが国際宇宙ステーションで活躍する一幕もあったほどですよ〜。
そうはいっても、初代Raspberry Piは、RAMを256MBしか積んでいない非力なスペックでした。その後、売れ筋モデルとなった「Raspberry Pi 2」へと進化。そして、このほどRaspberry Pi Foundationは、4周年を記念して「Raspberry Pi 3 Model B」を発表しました。
CPUを、初の64bit対応となる、1.2GHz駆動のARM Cortex-A53クアッドコアプロセッサーへとアップグレード。おまけに、これまで苦労して自分で追加しなければならなかったBluetoothやWi-Fi機能が標準装備(正規代理店が、技適を取得したものを販売予定)しています。
今回のスペックアップによって、Raspberry Pi 3は、初代モデルから10倍以上高速化したベンチマークをたたき出せるようになり、前モデルのRaspberry Pi 2と比較しても、32bitモードで50〜60%のパフォーマンスアップが報告されていますね。また、802.11n対応のWi-Fi接続機能、Bluetooth 4.1の標準サポートが追加されたにもかかわらず、コンパクトなシングルボードコンピューターのデザインフォームファクターは、ほとんど「Raspberry Pi 1 Model B 」および「Raspberry Pi 2 Model B」と変わっていません。相変わらず、5VのmicroUSBポートへの電源供給で動作する省電力性能まで備えています。
なお、CPUとしては、64bitへの対応を果たしてはいるものの、各種ソフトウェアやツールの対応には、やや時間を要するようです。とはいえ、Raspberry Pi 2と同じ35ドルに販売価格を据え置いて、日本円にして4,000円台で、よりパワフルになったRaspberry Pi 3を購入できるようになった意義は大きいでしょう。いまはRaspbianが標準OSですけど、そのうち64bitのWindowsだってバリバリと動かせる仕様にしてしまう強者まで現われると、ますますRaspberry Pi 3の人気が高まっていったりするかもしれませんよね。
source: Raspberry Pi Blog
Chris Mills - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)