人間じゃないなら何?
このホラー映画に出てきそうな手形は、リビア砂漠のワディ・スーラ洞窟にある推定6,000年から8,000年前のもの。手は13個あり、ずっと人間の赤ん坊のものとばかり思われてきました。ところが考古学者の新たな研究でどう考えても人間の手ではないらしいことがわかってきたのです。
ダ、ダ、ダーン!!
…と言っても宇宙人ではありませんよ。たぶん爬虫類の前足じゃないかって話です。2秒前のときめきが嘘のように引いていきますね。英ケンブリッジ大付属マクドナルド考古学研究所のEmmanuelle Honoreさん主著の新論文はJAS(考古学科学ジャーナル)4月号に掲載中。

ワディ・スーラ洞窟には「泳ぐ人の洞窟(I)」と「獣の洞窟(II)」の2つがあります。この手形があるのはリビア国境に近いエジプト側で2002年に発見された「獣の洞窟(フォッジーニ・ケイブとも呼ばれる)」の方です。ここには手形のほかにも、8,000年前に新石器時代のケイブマンが思いの丈を叩きつけた人や獣の岩絵が約5,000個もあります。

2006年にここを訪れたHonore女史は、赤ちゃんの手にしては指がやけに長いし、「これ本当に人間の手なのかな?」といぶかしく思いました。そこで数年後に戻って寸法をとり、フランスの病院で生まれた新生児、未熟児の大きさと比べてみたんですが、どれも合わなかったんです。
専門家を巻き込んでサルまで捜索範囲を広げてもダメ、どの霊長類とも一致しません。
ならばということで爬虫類まで駆り出し、いくつかの動物園と爬虫類の専門家に確かめてもらって、ようやくオオトカゲ、若いクロコダイルの足にかなり近いことがわかったのです。
もし本当に爬虫類なら(確証はない。レプティリアンじゃないとも言い切れない)、新石器時代のケイブマンはわざわざ獣の足をえっちらほいちら運んできて型抜き染めしたことになります。なぜそんなことを? 意味がわかりません。調べた研究者もこれは結論を早まってはいけないなと直感したんでしょう。
Honoreさんはnews.com.auにこう言ってますよ。「これが絶対回答だという自信はないです。それなりに説得力はあると思いますが」
image by Emmanuelle Honore
source: Journal of Archaeological Science via news.com.au
George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
(satomi)