アップルが10億ドル投じた滴滴の…柳青総裁がカッコいい

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アップルが10億ドル投じた滴滴の…柳青総裁がカッコいい

この美貌にしてハーバード大卒でレノボ創業者令嬢。げに天は二物も三物も与え給うなり。

アップルが中国版Uber「滴滴出行」に10億ドル(約1090億円)の超大型投資を電撃発表し、週明けティム・クックCEOが北京を訪問しました。市内をご案内しているこちらの美女は、滴滴の柳青(Jean Liu)総裁です。

アップルにとってはBeatsを30億ドルで買収して以来の大型投資で、アップルが買収しないでスタートアップに出資するのは異例中の異例。アップルの「車」と「中国」に対する本気度が伺えますね。

「滴滴出行(DiDi Chuxing、ディディ・チューシン)」は、中国ではUberをはるかに凌ぐシェアを誇るライドシェアアプリの新興企業です。同社発表によると、カバーエリアは中国全土400都市以上、登録ドライバー1400万人、ライド(配車)は1日1000万件以上、昨年1年間で14億3000万ライドの実績。やっと約50都市(年内に100都市に拡大予定)のグーグルとは段違いの規模です。

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それでもまだ「中国市場への浸透率は1.1%」なのだと、英語ぺらぺらの柳総裁はブルームバーグの番組で語ってますよ。中国のデカさはやはり途方もない…。

こちらの動画でウォール・ストリート・ジャーナルが今回の大型買収のポイントを整理していますけど、たぶんこんな意図があるのではないかと、米国では言われてます。

(1)アップルは中国で売上が落ち込んでるので(3月は前年比26%減)、それをなんとか巻き返したい
(2)百度が後押しするUberに対抗して、アリババ×テンセント×アップルで滴滴をプッシュしたい
(3)そのアライアンスを通して中国政府へのパイプを確保したい
(4)自社ソフトを車載したい
(5)ほんでデータをとりたい
(6)そしてあわよくば自社開発の自走車も中国で走らせたい

…この最後のは完全に想像ですけどね。

ちなみに柳青総裁は程維CEOとともに昨年フォーブスの「最も影響力のある30未満の人物」に選ばれたセレブで、レノボ創業者にして「中国IT界のゴッドファーザー」と崇められる柳伝志のご令嬢です(本人は親の七光りと思われるのが大嫌いで、記事にレノボのレの字が出るのも嫌い)。

北京大学コンピュータサイエンス学部を出て、ハーバード大学で修士号取得後、ゴールドマン・サックスで異例のスピード出世を果たし、2014年滴滴COOに抜擢され、入社半年で7億ドルの増資を成功させて総裁(彼女のために設けられた新ポスト)に昇進、現在は会社の経営を一任されている、という目が潰れるような眩いご経歴の持ち主です。

彼女のもと滴滴は2014年、約100人から2,000人以上に急成長しました。

乳腺癌サバイバーで、しかも3児の母でもあります。先日ご紹介したヨーキー・マツオカさんでも思ったけど…いつの間に生むんだ!!!

こんなにうれしそうなクックCEO見たことないぞ!!

滴滴はUberの競合「Lyft」との業務提携を発表したばかりで、それに今回のアップルマネー。勝負張ってますね。柳青=中国のUberストッパーという話は本当なのかも。

image: Tech QQ

(satomi)