あとは病院が追いつくだけ?
Appleによる健康分野への本格進出が始まりました。
先月Appleはオープンソースのアプリ開発プラットフォームCareKitを発表しました。CareKitは患者と医者が遠隔地でも情報を共有できるアプリを作ることが目的ですが、その最初のアプリが出てきましたよっ。
Startはうつ病を抱える人のためのアプリ。スタンダードな精神テストを通じてユーザーの情報を医者と共有することができます。
One Dropは糖尿病患者のためのアプリ。病状の記録を取り、データを医者とシェアできます。
GlowによるGlow NurtureとGlow Babyはそれぞれ妊娠と新生児の状態を記録し医者や助産婦、家族たちと共有することができるアプリとなっています。
一気にテクノロジーと医療のつながりが広がったようで興奮してしまいますが、これはまだまだ始まりに過ぎません。パーキンソン病の症状を測定するアプリから、手術後の治療スケジュールをカスタマイズするためのアプリなどが登場する予定です。また4月28日付けでCareKitはGitHubで自由に入手できるようにもなりました。ということは今後さらに多くのディベロッパを巻き込んで色んな病気に対応したアプリが作られるということ...!!
いやー、ワクワクしますね。
Appleは当初HealthKitを使って医療分野に参画しようとしていましたが、プラットフォームであるCareKitに移ったことで、アプリ制作会社や医療専門家たちにソフトウェア制作を任せる方向に転換したと言って良いでしょう。
今年3月の発表会では、Appleのジェフ・ウィリアムスCOOは「収集されたデータがどこに行くかはユーザーによって完全に管理できる」と強調しましたが、こういった医療データは非常に繊細なものばかりです。我々のデバイス上のセキュリティも十分なものが提供されているか気にしないといけませんね。
先日Fitbitで心拍数を記録していたことが救急治療に役立ったケースがありましたが、こういったテクノロジーが普及することで救われる命が増えていくのではないでしょうか。とても嬉しい流れですね。
しかしおそらく一番の障害となるのは病院でしょう。病院はセキュリティもテクノロジーの更新も遅れがち。患者、医者、病院の間で有機的にデータが活用されるにはまだ少し時間がかかりそうですね。
Image: Apple
source: AP, Fast Company
Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)