トップ画像は、映画「ダークナイト」より。この話は、ノンフィクションです。
医療系ジャーナルに掲載されたケースレポートによると、携帯電話を飲み込んだのは、アイルランドの男性で29歳、囚人。心理社会的問題を抱えていたことが症例報告にて明らかになっています。
ダブリンにあるAdelaide and Meath Hospitalの緊急救命室に送られた彼は、6時間前に携帯電話を飲み込んでから、4時間も吐き続けたのだとか。

医師によれば、そのほかの部分で彼はいたって大丈夫。痛みは伴うものの、携帯電話が消化管を通過するまで様子を見ながら待つことに。
18時間が経過した頃には、胃の中から動かなくなったという携帯電話。そこでようやく手術がはじまりました。
通常なら、最初の選択肢は低侵襲とよばれる体に負担の少ない手術。今回のケースでは、異物である携帯電話を体内から取り除くために、まず食道から手術機器を通すやり方が試されました。ところが携帯電話の正しい位置をつかめなかった外科医は、食道へのダメージを懸念して断念。
そこで次に採用されたアプローチが、より大胆な切開。腹壁をより大きく切り込み、医療用ピンセットを使って携帯電話をぐいと取り出すやり方に成功したようです。
手術後数日間は観察を受けた本人は、6日後には通常の胃腸の動きを取り戻し、精神療法を受けたのちに退院したのだそう。
今回の医療ケースレポートの筆者は、「携帯電話を飲み込んだ患者に対しては、切開手術を最小限に済ませることを第一に考えるとき、(様子を見て待たずに)直接、手術室に行った方がおそらく効率的だった」とコメント。......まぁ、なによりも望ましいのは、携帯電話を飲み込もうとする人がこれ以上いないことなんですけどねぇ。
images by The Dark Knight (2008), O. Obinwa et al./International Journal of Surgery Case Reports
source: International Journal of Surgery Case Reports , Improbable Research
Jennifer Ouellette - Gizmodo US [原文]
(Rina Fukazu)