今度は、弁護士のお手伝い。
人工知能といえば、ジョージア工科大のティーチング・アシスタントのジル・ワトソンという人物が実は人工知能だったという話題が記憶に新しいですが、今度は弁護士事務所で活躍することになりそうです。ネタ元のFuturismによると、世界初の人工知能弁護士「Ross」が“就職”したとのこと。開発元のROSS Intelligenceがアメリカの大手弁護士事務所であるBaker & Hostetlerと契約したと発表しています。
IBMの人工知能「Watson」をもとに開発された「Ross」は自然言語を理解するので、人間にするのと同じように質問を投げかければ、膨大な法律の資料から根拠のある回答をくれます。それも大量にではなく、より関連度の高い回答をくれるのです。法律関連のニュースを監視するので、大量の情報に溺れることなく新たな判例などを得られるようになり、さらに使えば使うほど学習していくんだとか。つまり、Rossを導入することで、これまで弁護士たちがリサーチに費やしていた時間を短縮できるようになるのです。
同事務所でRossは、約50人の弁護士が取り組んでいる破産関連の業務に携わります。この件に対し、CIOであるBob Craig氏は「Baker & Hostetlerでは、コグニティブ・コンピューティングや他の機械学習などの新たなテクノロジーが、クライアントに提供するサービスの質の向上に役立つと信じています」とコメントを出しています。
ROSS IntelligenceのCEO兼共同創立者であるAndrew Arruda氏によれば、Rossのライセンスを結んだ他の弁護士事務所も近いうちに発表を出すようなので、人工知能に弁護士の仕事が奪われる…そんな日が近づきつつあるのかもしれません。
image by Willyam Bradberry by Shutterstock.com
Source: Futurism, PRNewswire
(たもり)