もはやガソリン車では破れない記録に!
電気自動車(EV)は、ガソリンエンジンを搭載しないだけ静粛性には優れるけれど、なんだか馬力がなさそうだし遅いよね…。そんな誤ったイメージが持たれていた時代もあったかもしれません。でも、もはやパワーでもスピードでも、EVの優位性には揺るがないものがありそうですよ。
このほどAcademic Motorsports Club Zurich(AMZ)の最新EVレーシングカーとなる「Grimsel」は、スイスのドゥーベンドルフ空軍基地で実施された加速測定チャレンジにおいて、なんと時速100kmに1.513秒で到達する世界記録を樹立。昨年ドイツの大学生チームが叩きだした、時速100kmまで1.779秒という記録の更新に成功しましたよ。
学生チームが開発したレーシングカーで競われる「Formula Student」への出場を目指し、スイス連邦工科大学チューリッヒ校の学生たちによって、AMZが設立されたのは2006年のこと。それ以来、数々の新型レーシングカーが作りあげられてきたものの、2010年からはEVモデルに絞った開発が進められ、Formula Studentでもめざましい成績が刻まれてきました。
Grimselの開発にはスイス連邦工科大学に加え、芸術科学ルツェルン大学の学生たちも携わり、今回の新世界記録が達成されています。カーボンファイバー製の車体の重量は、わずか168kgに抑えられました。4輪の各ホイールには200馬力のモーターが装着され、最大トルクでの加速発進を可能にすべく、ホイールごとのトラクション(駆動)をコントロールするシステムを採用。30mに満たない距離で、時速0kmから100kmまでの加速を実現していますね。
今回のEVによる世界記録は、ガソリンエンジンを搭載するレーシングカーでも破ることができないレベルとされています。速くてクリーンな乗りものとして、ますますEVへの支持が広がっていくのを後押しする記録更新ともなっているでしょうか~。
source: ETH Zurich
(湯木進悟)