iOSで一番使われてるアプリ「iMessage」が、Snapchat風エフェクトとAndroid風絵文字とLINE風ステッカーで超便利に生まれ変わりましたね!
サードパーティー製アプリにも開放されたので、これからはメッセージをしながら…
・友だちにSquareでお金を払う
・みんなでDoorDashで出前注文
…なんてこともできます。
また、ステッカーはもうじき、画像さえあれば、本当に誰でも作って売れるようになるみたいですよ? デモではファインディング・ニモ新作のステッカーを披露しましたが、あんなのがコードの知識抜きに簡単に作れちゃう! App StoreにはiMessageのアプリ専用のドロワーもできるので、ユーザーはそこで使いたいアプリを選べます。
APIの公開は、MicrosoftのBot Framework、Facebook Messengerなんかに続く動きで、LINEやWeChat(微信)みたいに、メッセージを軸に文字・写真・動画・決済を取り込んで商圏を築きたい意図が見え隠れしますよね。みな従来のアプリの枠を超え、iPhoneの中に居ながらにしてAppleの管理の及ばない商圏を築いてますので、他社とまったく同じ機能を豊富に盛り込んで阻止したいものと思われます。
ちなみに、今回開放されたSiriのほうは当初、写真検索、フィットネス、通話など一部のカテゴリ限定での開放となります。
Android対応は「ナシ」
Hey Tim, they thought we were going to release iMessage on Android... pic.twitter.com/3mCpVIDUMX
— Craig Federighi (@_HairForceOne) June 13, 2016
WWDCではオープンソース化と平行して、直前のiMessageがAndroidに対応する噂が噂で終わってしまった点も地味に注目ポイントでした。
Apple Watchを使えるのはiPhoneユーザーだけで、MacにアクセスできるのはiPadとiPhoneだけで、iPhoneで撮った写真はApple TVでしか見れなくて、Apple Payはウェブの買い物に対応したけどそれを使えるのは指紋認証でピッとやれるiPhoneだけ(日本は対応外)という、囲い込み戦略はしばらく続きそうです。
Appleは先日、デベロッパーが満足できるようにお金を払えばApp Storeの検索上位にアプリが表示されるサービスを開始し、定期購読アプリの取り分を1年継続後は30%から15%に減らすことを発表しました。市場調査会社「eMarketer」が昨年6月に行なった調査によると、iPhoneアプリ開発にかかる費用は通常5~20万ドル(約530~2120万円)で、多いところは100万ドル(1億600万円)もかかるため、アプリよりサイトを重視する企業は依然多め。「App Storeで目立てない状況が続くと、モバイルサイト重視になっちゃうかも」と、同社モバイル部門主席アナリストCathy BoyleさんはThe New York Timesに語ってます。
端末の枠を超えクロスプラットフォームで拡大するメッセージアプリの商圏と、囲い込みを続けるi商圏。このせめぎ合いにも注目ですね。
iMessageの新機能
最後に、iMessageに新投入された機能を他社との比較をちょこっと絡めながら整理してみます。
Check out this iPhone update from #WWDC2016: it’ll change the way you texthttps://t.co/M967XovujU
— Tech Insider (@techinsider) June 13, 2016
リンクを貼ると、タイトル+写真・動画+リードが表示され、クリックする前にだいたいの中身がわかります。WhatApp、Slackなどなど他社で人気を博している機能。
2)絵文字が3倍デカくGoogleが3週間前にGoogle I/Oで発表したメッセージアプリ「Allo」の「Whisper Shout」は、つまみでサイズを調整できます。
テキストを入力する端から「この絵文字でしょ?」とサジェストしてくれる機能。これもAlloの場合は、相手の「質問」に応じて機械学習で回答の文字・絵文字・ステッカーの候補が出たり、相手の「写真」を見て回答をサジェストするところまでいっています。人工知能の力の差がモロに出てしまいました。
4)タップで変換うっかり絵文字を含めずに殺風景な文章を打ってしまったら、最後に「絵文字」ボタンをタップすると、絵文字変換可能なところが全部ハイライトされるので、変換したいところをタップするだけで絵文字に。タップタップタップ。
5)バブルエフェクト吹き出し文字がむにゅむにゅっとデカく。「す、すみません…」と消え入るような声にする縮小版も。
6)インビジブル・インク(見えないインク)スクランブルがかかってる文字をスワイプすると、あぶり出しのように文字や写真が出ます。デモでは婚約指輪がこつ然と…!
7)手描きメッセージ心のこもった直筆メッセージ。
8)デジタルタッチお絵かきプロセスも見れちゃう。
9)フルスクリーン・エフェクト画面いっぱいに花火やバブルをドーン。
source: Apple, The New York Times
(satomi)