やり切ったのか、揉めたのか…。
Alphabet(Googleの親会社)は現地時間3日、傘下であるNestのトニー・ファデルCEOの退任を発表しました。
同氏は元Appleの社員で、「iPodの生みの親」と評されるテック界のビッグネーム。2010年に元同僚と立ち上げたのが、Nestでした。同社は主にIoT(モノのインターネット)を主要事業とし、スマートホーム用のサーモスタットや火災報知機などをヒットさせてきました。
そんなNestを、Googleが32億ドル(当時約3300億円)で買収したのが2年前。GoogleがIoTに注力するであろうことはもちろん、同社はファデルがAppleで培ったデザインセンスを欲しがったのだろう、という憶測も流れました。
ファデルは退任後もAlphabetに残り、ラリー・ペイジCEOの顧問に就任する予定とのこと。こじれた系の辞め方ではないのかもしれませんが、「Google版 Amazon Echo」ともいえる、「Google Home」がようやく立ち上がったタイミングでもあり、何だかちょっと引っかかるものもあります。
後任には、同じくGoogleに買収されたMotorola Mobilityの元幹部、Marwan Fawaz氏の就任が決まっているとのこと。

自らもブログを更新し、「Leaving the Nest.(巣立ち)」という言葉と共に、全社員との写真をアップしていたトニー・ファデル。退任は寂しいですが、彼がスマートホームの世界を大きく変えたことは揺るぎない事実です。もしかしたら、次の何かを見ているのかもしれませんね。
source: Nest via iPhone in Canada, BBC
(渡邊徹則)