いったい、何をしているのかな?
街を歩いていると目にする、「Panasonic」の看板を掲げた電気屋さん。
みなさんは入ったことはありますか?
“街のでんきやさん”の存在は知っていても、お店に入ったり、買い物をしたことがない人も多いのではないでしょうか。
「あのお店、昔からあそこにあるけど、何をやっているんだろう?」
実は、ギズモード編集部もそう思ってました。
ということで、今回は密着取材を敢行。“街のでんきやさん”の1日を追ってみました。
石川県の“街のでんきやさん”に密着!

今回、1日密着取材をさせていただいたのは、石川県能美市にある「アンド・はとや」さんです。パナソニックの店ホームページでも紹介されている、今注目の“街のでんきやさん”です。

店長の杉森達也さんは、現在36歳。おじいさんの代に雑貨屋さんを営んでおり、先代の社長(現会長、杉森さんのお父さん)の代で“街のでんきやさん”に。そして3年前、杉森さんが社長に就任。歴史あるでんきやさんなのです。

店内は広々。パナソニック製品がずらりと並んでいます。話題の4Kテレビやエアコン、洗濯機、冷蔵庫、炊飯器、掃除機、美容家電まで。もちろん、電池や蛍光灯といった消耗品も完備しています。
さて、この“街のでんきやさん”、いったいどんな1日を過ごしているのでしょうか。その実態は、のんびりしているかと思いきや、超多忙!?
【8:30 朝礼】
“街のでんきやさん”の朝は早い。毎日朝礼から始まります。杉森さんを中心に従業員全員が集合して、本日の予定を確認します。その内容はさまざま。
・○○さんの風呂のふたのサイズ確認・○○さんの太陽光発電取り付けの準備
・○○さんのテレビ台サイズ調整確認
・○○さんのエコキュート調整
などなど。かなり忙しそうです。
ちなみに、従業員は全員で8人。うち杉森さんを含む男性4人は、主に外回りを担当。店内での接客は、女性従業員が担当しています。

朝礼が終わると、バックヤードへ。1日の仕事で使う工具や部品を確認します。

そして最初の目的地へ出発です!
【9:10 お風呂場リフォーム立ち会い】
杉森さんが車で向かったのは、長いお付き合いのあるお宅。ちょうどお風呂場のリフォーム中で、当日はユニットバスを設置する日でした。

杉森さんは、配線を担当。ユニットバスの搬入・取り付けは外部の工務店にお願いしています。
このお宅は、8年ほど前にオール電化の際にアンド・はとやさんにお願いしてからのお付き合い。たまたまポストに入っていたアンド・はとやさんのチラシを見て、相談のためにお店に出向いたのが始まりだそうです。
お宅を拝見したところ、家電製品はほぼパナソニック製。「アンド・はとやさんにお願いしていたらだんだんと(笑)」とのこと。

杉森さんによれば、このお宅は内窓や二重窓のリフォーム、網戸の張替え、トイレの便器交換、そして庭の工事も担当しているそう。もはや、「はとや御殿」と言ってもいいでしょう。
こちらのお風呂場リフォームはまだ続くということで、工務店の方にお任せして、杉森さんは次の現場へ向かいます。
【9:50 理容室での太陽光発電取り付け工事】
お次は、お店から車で10分ほどのところにある理容室。こちらでは、太陽光発電機器の取付を行っています。すでに、杉森さんを除いた従業員の方と、屋根の上に太陽光パネルを取り付ける業者の方が到着し、作業を進めていました。

この理容室は、取材日が定休日。翌日から営業しなければならないため、店内に配置する分電盤やパワーコンディショナーはできれば本日中に取り付けたいということで、急ピッチで作業が進められています。

杉森さんも自ら作業。チームワークを駆使して作業は着々と進められています。
作業半ばですが、そろそろお昼。ということで、一旦休憩です。朝の朝礼以降、ずっと外に出っぱなし。お店での作業はほとんどありません。
【12:00 昼食】
杉森さんは、お店に戻り昼食。つかの間の休憩です。
【13:00 エコキュート設置立ち会い】
午後の仕事は、1週間前にエコキュートを設置したお宅にお伺いし、北陸電力によるチェックに立ち会います。
こちらのお宅は、先代の社長(現会長)からのお付き合いということ。地デジ化のときに液晶テレビを購入したり、エアコンの導入もアンド・はとやさんにお願いしているそうです。
「ポットとか安いものは家電量販店で買いますけど、高いものはメンテナンスも必要なので、すぐに来ていただけるところのほうがいいんですよね。はとやさんはすぐ来てくれるし、何でも言えるし(笑)」

エコキュートも、10年ほど前から勧められていたそうですが、今回給湯器が故障したのを機に購入を決意したそうです。
この後、杉森さんが同時に購入したIHクッキングヒーターの使い方などを説明。最後に北陸電力の検査員の方のチェックをいただいて、作業は終了です。
【13:40 リフォーム宅の確認】
「ちょっと寄って行くところがあるんで」
杉森さんはそう行って、1軒の家に向かいました。このお宅は、アンド・はとやさんが元請けで、オール電化の工事と外壁のリフォームを行なったそうです。

今日はそのチェック。家の周囲をチェックし、最後に表札を取り付けます。これで作業は完了です。
【14:00 再び理容室へ】
エコキュート設置の立ち会いを終えたあと、杉森さんは再び午前中に作業をしていた理容室へ向かいました。
すでに昼食後から他の従業員が作業を再開しています。そこに杉森さんが合流し、作業を進めていきます。
杉森さんは、屋根の上に登って配線の確認などを行ないます。作業は夕方まで続くとのこと。なかなかにハードですね。
【15:00 一方店舗では……】
杉森さんたちが理容室で作業をしている間、店舗はどうなっているのでしょう? ちょっと覗いてみると…。
常連のお客さんがやってきて、さまざまな相談事を持ちかけています。「うちのリビングの蛍光灯がつかなくなったんだけど」
「エアコンの調子が悪いんだけど」

大型家電量販店とは違う、街のコミュニティスポットでもあるようです。
【16:00 広報誌作成】
杉森さんが一足早くお店に戻ってきました。どうやら、奥さんと一緒にアンド・はとやの広報誌「はとポッ報(ぽっぽ)」の作成をするようです。

「はとポッ報」は、発行して10年目。月に1回、アンド・はとやのことを知ってもらうために発行しているそうです。
「家電量販店に比べれば、うちのお店は入りづらいですよね。なので、なるべくうちから情報発信をして、こんなお店ですというのを知ってもらいたくて始めました」
制作は杉森さんの担当。Illustratorを使って作っているそうです。チェックは奥さんが担当。時には厳しいチェックが入ることもあるとか(!?)。
この後、杉森さんは太陽光発電の設置を行っていた理容室へ戻り、作業の続きを行いました。
店舗のほうは19時まで営業。こうして“街のでんきやさん”の1日は過ぎていくのです。お店外での仕事がここまで多いなんて、予想外でした。
“街のでんきやさん”の社長にインタビュー

ここからは、今回取材にご協力いただいた「アンド・はとや」の社長、杉森さんに“街のでんきやさん”についてインタビューを行ないました。杉森さんは、大学の工学部を卒業後、松下幸之助商学院で電気屋さんとしての基礎を学び、お父さんが経営する「アンド・はとや」に入社。3年前に社長を継ぎ今にいたります。現在36歳です。
ーー 今日は1日ありがとうございました。“街のでんきやさん”として長年営業されていますが、現在は家電の販売だけではなく、リフォームなども積極的に行なわれています。これは、どういう経緯だったのでしょうか杉森さん:最初は、網戸の張替えを引き受けることから始めました。ご依頼のあったお宅に伺って網戸を回収し、サッシ屋さんに張替えをお願いして、それをお宅まで戻しにいきます。正直、金額的にはまったく儲かりませんが、それをきっかけにほかの仕事も受けられればという思いがありました。ーー 本日一緒にお仕事を拝見して、杉森さんはいわゆる電気屋さん以外にもさまざまな仕事をされていましたよね。お風呂のリフォームや外壁のリフォームなどもありました。杉森さんは、どんな資格をお持ちなんですか?杉森さん:電気工事士と給水装置工事主任技術者、液化石油ガス整備士は持っています。電気はもちろん、水回りもほとんど今は自分で行なっています。蛇口の交換から給湯器の設置、トイレの取り換え、洗面台、キッチン、お風呂もですね。




自分の“街のでんきやさん”を探してみよう!

ということで、「アンド・はとや」さんの1日密着の模様をお届けしました。
“街のでんきやさん”は、家電や蛍光灯、電池などを販売しているだけではなく、家にまつわるすべてのことを相談できる、何でも屋さんでした。
もっと“街のでんきやさん”について知りたいという方は、『街の元気屋さん 心がほろっと温まる「街のでんきやさん」の話』や、『ニッポンの明かりのような店 街のでんきやさんは、街の元気屋さん』といった書籍を読んでみてください。
確かに、家の中のことは、家のことをよく知っている人に頼むのが一番。もし、家のリフォームの必要がでてきたら、“街のでんきやさん”に頼んでみるのも手かもしれません。

こちらから、ご近所の“街のでんきやさん”を検索できます。「アンド・はとや」さんのような、いつでもすぐにかけてつけてくれる自分の家の“でんきやさん”。見つけておいて損はありませんよ!
source: あなたの街のでんきやさん スーパーパナソニックショップ、パナソニックの店Facebookページ
(執筆:三浦一紀/撮影:小原啓樹)