手頃で実用的、そしてデザイン性にも優れた義肢。
機械義肢の低コスト化を目指すOpen Bionics社が、ゲームスタジオEidos MontrealとゲーミングデバイスブランドRazerと共同でゲーム「デウスエクス」風の筋電義手を制作しています。まずはガンメタルとゴールドの美しい義手と、プロジェクトの紹介動画をご覧ください。

彫刻のような、無機質な人間美を感じるシルエット。

人体の持つ曲線的なイメージを変えるモダンなデザイン。
Open Bionics社も参加し、先月話題になった「メタルギアソリッド」の義手制作は「個性」や「機能」を拡張する未来の創造プロジェクトでした。
一方「デウスエクス」の舞台は人体拡張技術が一般化したサイバーパンクな未来。サリフ・インダストリーという企業がデトロイトの自動車工場を改修し、機械義肢の大量自動生産が開始されてから一気に普及したという設定です。今回のプロジェクトがピックアップしたのはその「義肢が普遍的なものである」という点。それは筋電義手を使用することが、眼鏡をかけることと同じごく普通の行為であるという考え方です。
普段使いの眼鏡ならば実用性、価格、デザイン性が望ましい水準にそろった製品が選ばれます。Open Bionics社はそんな筋電義手を目指しているのです。
今回公開された「デウスエクス」の主人公アダム・ジェンセンと「デウスエクス」の世界観をイメージした2本の美しい義手は、機能面が未完成のプロトタイプです。クールなデザインと物を掴む機能を両立する形で開発を進め、完成後にはデータをオープンソースとして公開、誰でも3Dプリント可能にする計画とのこと。
どうしても高額になってしまう筋電義手を、オープンソースと3Dプリンターを利用して普及させようとするOpen Bionics社のプロジェクト。今回のEidos Montrealや、以前子供用義手のためにキャラクターのデザインを無償提供したディズニーのように彼らに共感する協力者は徐々に増えています。デザインの選択肢が増え話題にもなることで、筋電義手が身近なものとなる日に一歩ずつ近付いているようです。
© Open Bionics 2016source: YouTube, Augmented Future, Open Bionics
(勝山ケイ素)