故・岩田社長が最後にまいた種のひとつが今、花開いています。
先週米国でリリースされたPokemon GO、ものすごい勢いで使われていて、アクティブユーザー数ではTwitterに迫っているとも言われます。任天堂の株価は30%上昇し、時価総額が一気に9300億円もアップしました。折しも7月11日は同社の前社長、岩田聡さんの一周忌でした。
リアルな世界にスマートフォンをかざし、そこに現れるモンスターを捕まえるこのゲームの原型は、2014年のGoogleのエイプリルフール企画にありました。Google Mapsアプリの中でモンスターを捕まえるゲームをプレイして、たくさん捕まえた人はGoogleに「Pokemon Master」という役職で採用されるかも?という企画でした。
現在Pokemon GOを開発運営しているのは、Ingressを開発して2015年8月にGoogleからスピンアウトしたNianticという会社です。その後Nianticには、Googleと任天堂、そして任天堂の出資先である株式会社ポケモンが出資しています。
Twitterでは今、「Pokemon GO開発の背景に岩田社長の思いがあった」という説が拡散されています。
ポケモンGOはどうやら亡くなった任天堂の岩田社長が「ゲームは確かに楽しいが、それが原因で子供達が外で遊ばなくなった。外に出て遊べるゲームにしよう」みたいな趣旨で考えたゲームらしく、それ聞いて感動してる。
— パ ラ (@metaludon) 2016年7月11日
この話はしっかりした裏付けが取れていないので真偽はわからないのですが、たくさんのゲーマーの共感を呼んでいます。またNianticの川島優志さんのGoogle+によれば、岩田さんは同社のGoogleからのスピンアウトの段階から強力にバックアップしていたようです。川島さんはこんな風に書いています。
そして、岩田さん、ようやくここまで来ました。どうか空からどれだけの人々が外へと飛び出していくか、見ていてくださいね。Pokemon GOが、現実の世界の捉え方を変えるきっかけになったら。世界が素晴らしい場所であることに気づくきっかけになってくれたら、と願っています。日本とシリコンバレーが力をあわせるよい例になってくれたら、とも思います。
米国では6月半ばから長い夏休みが始まっていて、ふだんは涼しい屋内にこもりがちな子どももPokemon GOのおかげで本当に外に飛び出しているようです。岩田さんは55歳の若さで亡くなってしまいましたが、彼が生み出したものは、こうして今もこれからも、みんなを笑顔にしていくんですね。
source: TechCrunch、Google+、Twitter、New York Post
(miho)