世界が欲しいと思えば、実現される日はきっとくる!
未来を想像するときのマストアイテムといったら何でしょう? お手伝いロボットやホログラム機能を搭載した通信機器も頭に浮かびますけれど、やはり、なんといっても空飛ぶ車に勝るものはないでしょう。誰もが思い描く未来=空飛ぶ車。どんなSF作品にも出てくる未来=空飛ぶ車。想像はしつつも、そんな未来が本当に来るのかと懐疑的ではありますが、意外とそう遠くない話かもしれませんよ。
Airbus(エアバス社)のグループ会社で発行している雑誌に掲載されたある記事によれば、空飛ぶ車は着実に実現に向けて進んでいるようです。シリコンバレーを拠点とするAirbusのイノベーション担当グループA3は、Vahanaというプロジェクトを進行中。このVahanaプロジェクトは空飛ぶ車の開発を行なっています。
CityAirbusという名の下で開発された車両は、ドローンによく似たデザインのマルチプロペラ型。空飛ぶタクシーという位置づけで開発されており、その乗車賃も通常のタクシーと同等レベルを目指しています。今年の2月からプロジェクトをスタートさせており、2017年末までには試作品第1号を完成させる計画。
多くの都市では、ドローンを飛ばすのだって制限があるっていうのに、さてAirbusはどう対応していくのでしょう。これがどうやら、地方自治体と連携して、テストプログラムを組むつもりのようです。Airbus Helicoptersが手がけるSkywaysというプロジェクトが、まさにこれに当たります。シンガポール民間航空局の協力を得て、シンガポール国立大学構内で、ドローン小型荷物デリバリーサービスの試験運用を来年中頃までにスタートさせる計画です。
Skywaysプロジェクトでは、構内に配置された空中通路を使い、荷物を専用のステーションまで運びます。ユーザーは、このステーションで荷物を受け取る仕組み。このテストが成功すれば、ドローンデリバリーをシンガポール港にまで拡大する予定。

超大手航空機メーカーにいきなり「空飛ぶタクシー実現はすぐそこ」なんて言われたら、まるでキツネにつままれたような気分になります。記事中では、プロジェクト詳細までは明らかにされていませんが、Airbusは「きっとうまくいく」と自信ありの様子。そんなこと言われたら期待したくなりますよね。少なくとも、空飛ぶ車を開発中のスタートアップ企業とどれだけ競いあっていくのかは見物です。
期待がかかる一方、我に返れば、現段階では実現が難しいこともわかります。自動運転車、空飛ぶ車実現の技術はまだまだ実用的とは言えません。その点は、A3の役員Rodin Lyasoffも「バッテリ、モータ、航空電子工学はもちろん、あらゆる技術が必要になる」と発言しており、Airbusも認識しているところ。自動運転はまだしも、車が空を飛んでいるところは、まだフィクションでしか見たことないしなぁ…。
自信のほどはおいて、Airbusの計画、いや挑戦は、かなり大それたものだと思います。東京やニューヨークのような大都市で空飛ぶタクシーなんて、数年内の実現は想像できませんもん。が、Lyasoff氏のこの言葉に期待を持って締めましょう。「この種の航空機の需要が、世界中の何百万台という自動車を後押ししてくれることを信じている」。
source: Airbus Group
Carli Velocci - Gizmodo US[原文]
(そうこ)