いまの自動運転技術は本当の「自動運転」ではない!
Tesla Motorsの「オートパイロット」システムをはじめ、車の運転の自動化をサポートする技術が、各メーカーから続々と登場してきています。とはいえ、ドライバーが完全に運転から離れ、すっかりハンドルもブレーキ操作も任せっきりにできるレベルにはありません。
結局のところ、どんなに自動運転車と命名しようとも、人がハンドルを握って運転せずに済むわけではないのでしょうか? そう思われがちですけど、このほどFordは、世界に先駆けて、ハンドルもプレーキペダルもない完全な「自動運転」の電気自動車を、2021年までに発売する新方針を明らかにしましたよ~。
この車には、ハンドルやブレーキをするための運転席というものがそもそもありません。つまり、車に乗っている人は全員が乗客で、ドライバーはロボット化された自動運転車そのもの…。そんな真の意味での自動運転車は、まずUberやLyftなどが提供するタクシーサービスの形で投入予定です。今後5年以内に、常に道路を流れる自動運転車を自由につかまえ、行き先に応じて乗り分けるなんてスタイルの移動手段が、本当に実現するのかもしれませんよね。
Fordは、ただの夢物語ではなく、これが現実の事業計画であることを強調し、開発計画の加速を同時に発表。パロアルトにある研究所内の開発チームを倍に増強して、今年中に全米各地で30台の「Fusion Hybrid」をベースにした自動運転テストカーによる大規模試験走行を実施します。
どうやらFordの理論は、中途半端に人間のドライバーが自動運転モードに介入したりするので、かえって変な事故につながってしまうという考え方に基づいているみたいです。むしろ、絶対的な信頼を置ける高い完成度の自動運転技術の開発を目指して、LiDAR(Light Detection And Ranging)センサーや3Dマッピング、人工知能による判断性能の向上に全力で努めていると説明されていますね。
自動車の運転が好きな人には、なんともつまらない車になってしまうかもしれませんけど、将来の最先端モデルでは、人間のドライバーのすることなんて、なにもなくなってしまうのかもしれません。法規制の観点からは、万が一のときを考慮して、まったくハンドルもブレーキペダルも取っ払った自動車を発売したりできるのかは疑問ですけど、予想よりも早く、そんなロボットカーが普通に街を走る時代がやってくるのかもしれませんよね~。
image by Ford
Michael Nunez - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)