面白い、けどちょっと怖い。
目の前にある大きな2枚のパネル。1つにはA、もう1つにはBと書かれています。「Aの方向に進んでくださいね」。そう言われたはずなのに、しっかりとBに向かって歩いていく実験被験者…。
動画のBGMの効果もあって、どことなく怖いような不思議なような雰囲気。しかし、これ、魔法でも催眠術でもありません、VR技術のたまものです。視覚的錯覚を使ったナビゲーションシステムなんですって。
このナビシステムを研究しているのは、筑波大学デジタルネイチャーグループの石井晃さんたち。落合陽一さんが率いる研究室です。ウェブサイトによれば、
ユーザに対して視覚的錯覚を引き起こすような画像処理を行い,そしてそれをフィードバックすることによりユーザの歩行方向を無意識的にコントロールする
つまり、実際の画(ヘッドセットをつけずに目で見るもの)と、VRヘッドセットを通してみる画に、あえて違いを持たせることで、VR世界を通して、知らず知らずのうちに現実世界のある地点へと誘導するということなのです。
従来のナビシステムでは「次、右折です」という指示をユーザーが認識し、行動に移します。が、VRナビシステムは目指すのは、ユーザーが指示を認識する必要のない無意識ナビゲーション。こっちな気がするーってな具合に進んでいたら、気がつけば目的地だったって感じですね。
この不思議な感覚、ぜひ体験してみたい…!
source: Digital Nature Group、YouTube
(そうこ)