黒地にピンクの水玉フライングV!
愛用のフライングVをポルカと呼び、まるで友達や娘のように扱い巧みに演奏する女性ギタリストがいます。ですが彼女が他者と違うのは、サンパウロに住むドイツ人なのにイスラム教徒でニカブを着たプロのヘヴィメタル・ギタリストという点。
そんなジゼル・マリーさんの話や曲に耳を傾けてみるとしましょう。
source: CNN
source: IBTimes UK
CNNとIBTimes UKからの動画でした。
エデン・シードという名のバンドに所属するマリーさん。元々ドイツのカトリックを信仰する家に生まれた彼女ですが、2009年に父親が亡くなった時に改宗しました。元々家族からの反対もなく、ニカブ姿を見た母親は「綺麗よ」と褒めたほど。音楽はイスラムの信仰心とも教義とも共通点がありませんが、ムスリムの女性の情熱は何にも止められない、ということを世間に見せるべく活動している彼女。世間からはイスラムの女性がメタルだなんて不適切だという声もありますが、誰が何をやっても反対意見は出るものなので気にしていないそうです。
スレイヤーは極悪で悪魔的な歌をうたうのに全員がクリスチャンです。そこに何か不都合はありますか? ありませんよね。アートの職業なので問題ないのです。それに私の音楽では、建設的で前向きなメッセージや考えを伝えているんですよ。
IRTによりますと、現在42歳のマリーさんは今のイスラムに改宗する前、魔女のウィッチクラフトを実践するウィッカという新宗教に入ったこともあったそうです。それもこれも、自分らしさと人生を捧げるほどの情熱を導いてくれる宗派を探し求めるが故でした。

バンドの練習は1日6時間
彼女は元々楽器だらけで音楽に溢れた家に育ったそうです。クラシック・ピアノを習っていたそうですが、兄弟の所属するメタルバンドに加入したことがあったとか。
ドイツもブラジルもメタルを愛する国です。ただ彼女の信仰がイスラムで、それに従った服装をしているというだけなのです。確かにイスラムとメタルは珍しい組み合わせですが、ヘヴィメタルは情熱的かつ柔軟で自由な音楽なのでマリーさんの活動は大アリだと思います。
(岡本玄介)