VRの可能性を広げる。
PS VR、Oculus Rift、HTC Vive。2016年は、VR(仮想現実)の本命とも呼べるハードウェアが次々と登場する、「VR元年」になりました。高価なヘッドセットを買わなくても、ハコスコなどの簡易VRヘッドセットが普及したことにより、家でも手軽にVR体験ができます。
VR体験のハードルは下がりましたが、実はコンテンツを作るハードルもとても下がっているんです。360度カメラの登場によって。
それを現すように、360度カメラのTHETAを展開するRICOHが、「THETA VR映像コンテスト」を開催しています。3つのテーマの中から、それにあった360度の写真・動画をRICOH THETAで撮影し応募すると、優秀者に賞品がもらえるコンテストです。10月26日(水)まで作品を募集しています。
今回ギズモードでは、3つのテーマの一つである、自由部門に応募してみることに。
そしてその映像の撮影場所に選んだのが、鉄道博物館の巨大な模型鉄道ジオラマです。

なぜ、鉄道博物館の巨大ジオラマを撮影?
鉄道博物館は、埼玉県の大宮にある、実物の鉄道車両の展示や運転シミュレーターなどが設置された、鉄道ファンならずとも楽しめる博物館です。


ここの展示の一つに、横幅約25m奥行き約8mにもなる、巨大な模型鉄道ジオラマがあります。ですが、実は鉄道博物館のジオラマはすでにリニューアルのため閉鎖済み。2018年夏の新館の建設及び本館の全面リニューアルオープンにともない、模型鉄道ジオラマも2017年7月頃まで、約1年間も見られなくなってしまうのです。
「閉鎖中でも、鉄道博物館の模型鉄道ジオラマを楽しめるような映像が撮れたら」
そしてせっかくなら、普段の展示では見られない映像を収めようと、鉄道模型に360度カメラを載せて走らせることにしたのです。
どうやって撮影した?
鉄道博物館のジオラマに使われているのは、HOゲージ。THETAを乗せるには、専用のマウントを作る必要があります。

今回はRICOHの最新機種「THETA S」用のマウントを作るべく、3Dプリンターを使用しました。大阪にある制作会社の「トンガルマン」に3Dモデリングを、東京にある3Dスキャンや3Dデータサービスを手がける「デジモ」にその出力を依頼。

そして生まれたのが、THETA S専用HOゲージマウント! 大阪にあるトンガルマンさんから3Dデータが送られてきて、それを東京渋谷にあるデジモで出力します。なにこの創作、未来感ある。

THETA Sにピッタリスッポリはまります。精度高い。

そしてHOゲージの車両模型を用意。鉄道模型メーカー「KATO」のオハ35を使いました。HOゲージの車両本体部分を取外し、台枠を台車だけにして装着します。THETA Sトレインの完成です。
模型鉄道ジオラマの車窓はこちら
こちらが応募した映像です、どうぞ
鉄道博物館の巨大な模型鉄道ジオラマを走らせる! - Spherical Image - RICOH THETA
今回応募条件に10秒以内とあったのでコンパクトになりましたが、せっかくなので全編をどうぞ。
電車とすれ違う様子はかなりリアル。本物の電車の車窓からの風景を眺めているようです。ハコスコなどの簡易版VRヘッドセットとスマートフォンを組み合わせれば、本当に鉄道模型に乗車している気分になれますよ。
まだまだ潜在能力を秘めている360°カメラ。アイデア次第で、これまで見たこともない映像が見られそうです。
source: RICOH
撮影協力: 鉄道博物館
(佐々木崇)