またWindowsの新境地へ!
Windows 10には、間隔を置いて大型アップデートが配信されることになっています。なかには非常にビッグな改良点が山盛りのアップデートもあり、もしやこれは「Windows 11」か? そんな驚きの声で迎えられた最新アップデート「Creators Update」の詳細が、このほどMicrosoftによって明らかにされましたよ。われわれは2Dのメール、ドキュメント、スプレッドシート、スライドショーに慣れて育った。しかしながら、次の世代は始めから3Dに慣れ親しんで大人になっていく。すでに「Minecraft」の世界では、大勢の子どもたちが、まるでドキュメントを繰る感覚で、自分の3Dワールドを作りあげ、インタラクティブに3Dと接している。
MicrosoftのWindows&Devices部門を率いるTerry Meyerson氏はこのように語り、新たに3D対応を強化したCreators Updateの紹介を行ないました。2017年初めに無料配信されるCreators Updateには、新機能がてんこ盛りですけど、ここでその7大機能をまとめてみましょう。
1. Paint 3D
長らくWindowsアクセサリとして画像編集に利用されてきたペイントソフト。3D対応を強化するCreators Updateでは、新たに「Paint 3D」として大刷新されています。

その名のとおりPaint 3Dでは、これまで敷居が高かった3Dオブジェクトや環境に、すべてのWindowsユーザーがストレスなく触れられるようになっていますね。
まるでスマートフォンで写真や動画を撮影するかのごとく、簡単に3D作成に取り組めるようにする必要があります。
新たに3D対応が強化されたPaint 3Dを、MicrosoftのMegan Saunders氏は、こんなふうに紹介しましたよ。

実際にSaunders氏は、ステージ上の砂城のディスプレイをスマホで撮影。すると、一瞬のうちに砂城が3Dコンテンツとしてスキャンされ、Paint 3Dにて、まるで画像を扱うかのごとく、自由自在に向きを変えたり、デザイン編集が可能になりました。
なお、Creators Updateに合わせて、数々の3Dオブジェクトのコレクションサイトとなる「Remix3D.com」がローンチ予定。Paint 3Dで作成したコンテンツの共有が手軽に進められるほか、Minecraftからの提供オブジェクトも含め、多彩なハイクオリティーのコンテンツラインナップが利用可能になるようです。3Dモデルの作成編集ソフトとして名高い「SketchUp」もRemix3D.comに参加しており、豊富なライブラリがそろうことを楽しみにしたいですよね。
2. Powerpointも3D対応強化
Creators Updateで3D対応を果たすのは、ペイントソフトだけではありません。Officeソフトだって、3Dコンテンツへの対応を強化し、そのアップグレードは「Microsoft Powerpoint」にも適応されていますよ。

スライドショーの作成には、新たに3Dレンダリングの追加メニューが用意されます。自分で作った3Dオブジェクトのみならず、Remix3D.comに並ぶ多彩な3Dコンテンツを検索/ダウンロードし、スライドへ簡単に挿入。特殊なソフトウェアを使わずとも、挿入された3Dオブジェクトは、そのままPowerpoint上でグルグルと動かしては編集可能となっていますね。
3. HoloLensを通してEdgeまで3D対応
Creators Updateの3D対応強化は、インターネットの世界にまでもおよんでいます。

Microsoftが開発中の拡張現実ヘッドセット「HoloLens」で、Windows 10ブラウザの「Microsoft Edge」に表示される対応サイトを閲覧すると…。

オンラインショッピングで家具を購入しようとしている場面です。このイスって、実際に部屋に置いたらどんな感じかな? HoloLensを装着して進めるショッピングは、まさに仮想と現実を行き来して進めることができる未来感覚です。服を買ったりするときも、サイトから服を取り出して、自分に似合うかどうかバーチャルな試着までできるということですね〜。
4. 広がるバーチャルワールド体験
HoloLensで便利になるのは、インターネット上の世界だけではありません。

Paint 3Dで作成された3Dオブジェクトは、ただWindowsのスクリーンのなかにだけ存在するのではありません。HoloLensから眺めると、実際に部屋のなかにまで各種オブジェクトを配置し、目の前に広がっていく世界を体験することができます。アプリのなかへ入っていってしまう感覚ですね。
その世界には、現実のテレビ放送を移動させて配置することまでできるようで、自分はいまバーチャルなワールドにいるのか、本物の世界にいるのかがわからなくなってしまうかも。これぞ、MRということなのか...。
5. Windows 10 VRヘッドセット
新たな3DのWindowsの世界を堪能するためには、やはり各種VRヘッドセットが必要になってくることでしょう。

Creators Updateには、難しいことなどわからずとも、とにかく装着するだけで簡単に新たな3Dの世界を味わえるようになる対応アクセサリーが、各メーカーから豊富に用意されるそうです。すでに、HP、Dell、Lenovo、Asus、Acerより、多彩なWindows 10 VRヘッドセットがリリースされる予定となっており、販売価格は299ドルから。
来年からは、Windows 10 VRヘッドセットが必須のオプションとなってくるかもしれませんね。
6. Xbox Liveにも新機能
さてさて、Creators Updateの3D対応の話ばかり進めてきましたけど、ほかにもゲーム分野に特筆すべきアップデートがありますよ。

Creators Updateでは、Windowsに「Beam」のシステム統合がなされています。つまり、Xbox Liveでプレイ中のゲームを、簡単にライブ配信できるようになりました。これって、実はとても難しいステップだったのですが、自分のゲームプレイをストリーミング配信するチャンネルまで、今後はだれでも手軽にセットアップできるようになりますよ。MicrosoftによるBeam買収の成果が、早くも表われた形ですね。
さらに、Xbox Liveの「Arena」を用いて、だれでもゲームのトーナメント戦を開催できるようになります。アイデア次第では、ビッグなイベントをインターネット上で告知して、多数の参加者を集める人気トーナメントの主催者となることだってできますよ〜。
7. 新たなコミュニケーションツール
Windowsにはメッセンジャーソフトが用意されていた時代がありましたし、Skypeとの統合強化などに力を入れられていたこともありましたけど…。

Creators Updateによって、Windows 10には、新たなコミュニケーションツールが実装されることとなります。タスクバーへ、頻繁に連絡を取る家族や友人をピン留めしておくと、あとはメッセージやメール、各種ファイルを送りたいときにクリックするだけ。
スマホのSMSメッセージを、Windows上でリンクして受け取ることもでき、いちいちパソコンとスマホを見比べる必要もありません。Appleが「iMessage」で実現した、iPhone、iPad、Macの統合が、ついにWindowsでも可能になるような感覚ですよね。
Microsoft発表イベント:
・クリエイター向けの新デスクトップPC「Surface Studio」発表!
・よりパワーアップした第2世代「Surface Book」が登場
・MicrosoftがノートPCで使える3万円VRヘッドセットを予告
source: Microsoft
Michael Nunez - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)